三越伊勢丹、固定電話機2万台のシステムをクラウドに移行 保守・運用コスト削減へ
三越伊勢丹グループが、約2万台の固定電話機を制御するシステムをクラウドに移行。オンプレミス型のPBXを廃し、NECネッツエスアイのクラウド型電話システムに切り替えた。保守・運用コストの削減が狙い。
NECネッツエスアイは11月11日、三越伊勢丹グループにクラウド型電話システムを提供したと発表した。店舗やバックオフィスなど計55拠点で、オンプレミス型のPBX(構内電話交換機)を撤廃し、約2万台の固定電話機を制御するシステムをクラウドに移行したという。
同システムに置き換えた拠点では今後、外線を特定の電話機に転送したり、社内の電話機同士を内線通話でつないだりする役割をクラウド上のソフトウェアが担う。複数の拠点に設置していた電話システムを一本化することで、保守・運用コストの削減を見込む。
三越伊勢丹グループは、クラウド型電話システムの導入に合わせて、顧客の情報を記録・保存するSaaSツールの利用も始めた。拠点ごとに管理していた顧客情報を一元化し、問い合わせ対応を効率化するとしている。
NECネッツエスアイは「PBXの更新時期を迎える顧客や、音声コミュニケーションのさらなる活性化を求める顧客に対し、クラウド型のPBXを訴求していく」としている。
ハードウェアとしてのPBXに高額な初期投資をしたり、ベンダーと長期のリース契約を結んだりする負担を解消できることから、昨今はソフトウェアにPBXの役割を持たせるサービスに注目が集まっている。
大手ベンダーでは、日本マイクロソフトがソフトバンクやNTTドコモと組み、チャットツール「Microsoft Teams」上で固定電話番号で発着信できるサービスを提供。シスコシステムズはKDDIと組み、スマートフォンやPCなどから固定電話番号で発着信できるクラウド型PBXを提供している。
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