「Docker Enterprise」をMirantisが買収 Dockerは開発者ビジネスに専念
コンテナ管理サービスのDockerが、エンタープライズ事業をクラウドサービスのMirantisに売却した。Dockerは開発者事業にフォーカスしていく。Mirantisは「Docker Enterprise」のブランドを残し、Dockerと協力していく計画。
米クラウドサービスのMirantisは11月13日(現地時間)、米コンテナ管理サービスのDockerから「Docker Enterprise」事業を買収したと発表した。買収総額などの詳細は公表されていない。Dockerは同日、米Benchmark Capitalなどから3500万ドル(約38億円)の出資を受け、開発者向けビジネスにフォーカスしていくと発表した。
Docker EnterpriseはDockerの主力サービスだったが、同社は発表文で、立ち上げ以来中核としてきた開発者事業と成長中のエンタープライズ事業は非常に異なるビジネスであるため、エンタープライズ事業を手放して開発者事業に集中すると説明した。
Dockerは現在CTO(最高技術責任者)を務めるスコット・ジョンストン氏をCEOに指名し、新たな体制下でDocker DesktopおよびDocker Hubに注力していく。
MirantisはDocker Enterpriseのブランドをそのまま残しつつ、コンテナ基盤製品事業を拡充し、Kubernetesでの革新を加速するとしている。両社は今後も相互運用性を確保するよう協力していく。
FAQページによると、Docker EnterpriseのサポートチームごとMirantisに移行するので、顧客にとっては当面大きな変更はないという。
関連記事
- 国内でDockerコンテナを本番利用している企業は9.2%、コンテナオーケストレーションツールはKubernetesがデファクト
調査会社のIDC Japanが、コンテナインフラストラクチャソフトウェアのDockerコンテナとコンテナオーケストレーションツールのKubernetesの導入状況に関する調査結果を発表した。コンテナの導入状況について調査した結果、本番環境で使用している企業は9.2%だった。コンテナを本番環境で使用している企業と導入構築/テスト/検証段階にある企業を対象に調査した結果、45.5%の企業がKubernetesを使用していた。 - Google、新サービス「Anthos」を公開 Kubernetesをベースにオンプレミスやマルチクラウドを実現
GoogleがKubernetesをベースにアプリケーションのマルチクラウド対応を実現する新サービス「Anthos」の提供を始めた。AWS上で稼働するデモも披露し、Google以外のクラウドをサポートすることによるマルチクラウド対応を行う方針であることを示した。 - Docker、企業向けサブスクリプションサービス「Enterprise Edition」スタート
米コンテナ管理サービスのDockerが、企業向けサブスクリプションサービス「Enterprise Edition」の提供を開始した。無料版は「Community Edition」として提供を続ける。 - コンテナ型仮想化ソフト「Docker」の正式版リリース 企業向け有料サポートも
米Dockerがオープンソースのコンテナ型仮想化ソフトのDockerの正式版としてバージョン1.0をリリースし、既に1万4000本以上開発されている“Dockerized”アプリを共有するための「Docker Hub」を立ち上げた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.