スパコン「富岳」試作機、省エネランキングで世界1位
富士通と理化学研究所が共同開発している「富岳」のプロトタイプが、消費電力性能を示すランキング「Green500」で世界1位を獲得。
富士通と理化学研究所は11月18日、共同で開発を進めているスーパーコンピュータ「富岳」(ふがく)のプロトタイプが、スーパーコンピュータの消費電力性能を示すランキング「Green500」で世界1位を獲得したと発表した。
Green 500は、米バージニア工科大学が半年に1回発表している、消費電力当たりの演算処理速度を競うランキング。富岳のプロトタイプは、ピーク性能の2.3593PFLOPS(ペタフロップス)に対し、連立一次方程式を解く計算速度で1.9995PFLOPS、消費電力1ワット当たりの性能で16.876GFLOPS/W(ギガフロップスパーワット)を達成し、世界トップの性能を実証したという。
富岳のプロトタイプは、富士通が開発したCPU「A64FX」を768個搭載。このCPUは、英Armの命令セットアーキテクチャ「Armv8-A」をスーパーコンピュータ向けに拡張した「SVE」(Scalable Vector Extension)を実装し、幅広いソフトウェアに対応する汎用性、超並列、省電力性──といった性能を実現しているという。
理化学研究所の松岡聡氏(計算科学研究センター長)は「GPUマシンがランキングの上位を占める中で、汎用CPUマシンがこれらを上回るのは非常に画期的なことだ」とコメントを寄せている。
富岳は2021年ごろに運用を始める予定で、京の最大100倍の実行性能を目指す。先代の「京」と同様、理研 計算科学研究センター(神戸市)への設置を進めている。
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