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神奈川県庁のHDD流出、容疑の業者は官民で取引多数の大手 防衛省も「しっかり調査する」 影響範囲大か(2/2 ページ)
神奈川県庁の行政文書が保存されたHDDが転売に掛けられ情報流出した問題に関連し、流出元のブロードリンクと取引があった防衛省は同社について調査する姿勢を見せた。
大手企業、官庁など取引先多数のブロードリンク、影響範囲大か
ブロードリンクは、2000年創業の情報機器リユース業者。同社Webサイトによると、04年から企業の業務用PCをはじめとする情報機器を買い取り、データを消去したうえで再販するリユース事業を展開している。14年の買い取り実績は約100万台で、多数の上場企業と取引があるとして、PC買い取り実績が業界1位であるとうたっている。
Webサイトでは、データ消去の工程も公開していた。HDDのデータ消去には米国防省などが採用しているBlancco社製ソフトウェアを使い、有資格者のみが入れるデータ消去室で作業を行っているという。入退室には指紋認証が必要で「確実な完全データ消去が可能」とアピールしている。
同社によると、HDDの処分方法は内蔵ディスクを専用破壊機で物理的に壊す「物理破壊」か、強力な磁力を使ってデータを消去する「磁気破壊」の2つ。物理破壊の場合は、破壊前と破壊後の様子を撮影した証明写真を提出し、データ消去が完了すると「データ消去作業完了報告書」を発行するなど、処分したことを証明する仕組みもあるとしているが、今回の問題が発覚し、写真や報告書の信頼性が揺らいでいる。
主な取引先として、防衛省や最高裁判所などの公共機関の他、証券会社や銀行、郵便事業者、保険会社、IT企業などを挙げており、今回の事件を受けた影響範囲は大きくなりそうだ。
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