青森県弘前市で市職員およそ2700人分の個人情報流出か
青森県弘前市は、同市職員の個人情報が流出した可能性があると発表した。東奥日報社に個人情報が添付された匿名のメールが届き、事態が明らかになった。
青森県弘前市は12月13日に緊急記者会見を開き、同市の職員およそ2700人分の個人情報が流出した可能性があると発表した。青森県の新聞社「東奥日報社」(青森市第二問屋町)に12日、個人情報が添付された匿名のメールが届き、事態が明らかになった。情報が悪用された形跡はないとしている。
流出したとみられるのは同市がネットワーク接続ストレージ(NAS)などに保存していた個人情報。2017年度の時点で弘前市の市役所や教育委員会、消防、病院などに務めていた職員と非常勤職員のもので、氏名や住所の他、月給額、学歴など約70項目の情報が含まれている。
人事課と新聞社に「個人情報が漏れている」と匿名のメール
弘前市の人事課には、11月18日に「職員の個人情報が記載されたファイルが流出している。マスコミへの情報提供も考えている」という内容の匿名メールが送られてきたという。本文には送信元とみられるメールアドレスと電話番号が書かれていたため、人事課の職員が連絡を試みたものの反応はなかった。12月2日には実際に一部の個人情報を含む匿名メールが人事課に届いた。本文に書かれたメールアドレスと電話番号はいずれも実在しなかったという。
12月12日には東奥日報社に個人情報が記録されたExcelファイルがメールで届いた。弘前市が東奥日報社の連絡を受けてデータを確認したところ、市で扱っているものと内容が酷似していたため同市のデータと断定した。
データを保存していたNASにアクセスできるのは、人事課の職員およそ20人のみ。弘前市の人事課と情報システム課は、市の職員がデータを持ち出したか、外部からNASに侵入された可能性があるとして調査を進めている。
「調査結果は職員のみならず、市民にも公開する」(弘前市)
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