ニュース
神奈川県庁の転売HDD、全て回収 富士通リースとブロードリンクに指名停止処分
神奈川県庁が使っていたファイルサーバのHDDが転売され、個人情報を含むデータが流出した問題に関して、同庁は転売されたHDD全てを回収したと発表した。富士通リースとブロードリンクに対しては指名停止処分を下した。
神奈川県庁が使っていたファイルサーバのHDDが転売され、個人情報を含むデータが流出した問題で、同庁は12月21日、転売された18台のHDD全てを回収したと発表した。24日には、HDDの処分を委託していた富士通リース(東京都千代田区)と、同社下請けのブロードリンク(東京都中央区)に対して指名停止処分を下したと明らかにした。
同庁は6日、行政文書などを保存していたHDDを処分する過程で個人情報が流出したと発表した。富士通リースからレンタルしていたファイルサーバのHDDを交換する際に、古いHDDの処分を担当したブロードリンクの元従業員・高橋雄一容疑者がHDDを破壊せずに持ち出し、ネットオークションで転売していた。
神奈川県庁はオークションサイトの運営管理者に協力を依頼。HDDの落札者にメールで連絡をとった。18台のHDDのうち9台は5日に同庁が回収。残りの9台のうち5台は19日、4台は21日に回収が終えた。19日以降に回収した9台は、データ復旧などは行われなかったため情報流出はないという。
一連の問題を受け、神奈川県は富士通リースとブロードリンクに対し3カ月間の指名停止処分を下した。富士通リースは11日、ブロードリンクは10日から、神奈川県の業務請負などの競争入札に参加できない。同県は、より厳しい措置として損害賠償の請求なども検討している。
関連記事
- 個人情報が保存された神奈川県庁のHDD計54TB、転売される 処理会社の従業員が横領
神奈川県庁の行政文書が保存されたHDDが転売され、個人情報などが流出していたことが分かった。富士通リースから借りたファイルサーバで使われていたHDDを処分する際、HDD破壊を担当したブロードリンクで一部のHDDが横領され、転売にかけられた。 - 神奈川県庁のHDD流出、容疑の業者は官民で取引多数の大手 防衛省も「しっかり調査する」 影響範囲大か
神奈川県庁の行政文書が保存されたHDDが転売に掛けられ情報流出した問題に関連し、流出元のブロードリンクと取引があった防衛省は同社について調査する姿勢を見せた。 - HDDなど転売「7844個」──行政文書流出、ブロードリンクが謝罪 ずさんな管理体制明らかに
神奈川県庁が使っていたファイルサーバのHDDが転売され、個人情報を含むデータが流出した問題で、ブロードリンクは記者会見を開き、流出のいきさつと捜査の状況を説明した。同社の高橋雄一容疑者は3年前から7844台の機器を転売していたという。 - クラウド上のデータを完全削除したくても、ストレージの物理破壊は不可能……どうする? AWSの説明は
神奈川県庁が富士通リースから借りていたサーバのHDDが不正に転売された結果、膨大な個人情報などが漏えいした事件が起きた。これをきっかけに、HDDなどのストレージをいかに安全に破棄すべきか、という点に世間の関心が高まっている。では、クラウドストレージに保存したデータはどうなのか? AWSジャパンが公式ブログで説明している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.