アコースティックな響きをありのままに ハイレゾストリーミングで彩り豊かなリスニング体験をしてみた(3/3 ページ)
「Amazon Music HD」と「mora qualitas」という、2つのハイレゾ音楽サービスが登場した。この2つを徹底比較してみた。
モバイルは、Amazon Music HDが一歩リード
現時点でモバイルに対応しているのはAmazon Music HDで、mora qualitasは「対応予定」とだけ記されて時期は不明だ。Amazon Music HDは、移動中でもハイレゾ音質を楽しむことができるのはうれしい。ただし、端末に音源ファイルをバッファリングする際、通信の品質によりダイナミックに音源のスペックを変化させているようで、常に、ハイレゾで聴けるというものではない。
Amazon Music HDのiOS版アプリ。ハイレゾの楽曲は「ULTRA HD」と表示されるが、音源スペックは、バッファリング時に通信環境によりダイナミックに変化するので、常にハイレゾで聴けるとは限らない
これはあくまでも筆者のこれまでの利用における経験則だが、移動中、「ULTRA HD」というハイレゾ表示になったのを見たのは一度だけだ。それもWi-Fiに接続しているときだった。4G接続では、だいたい、ロスレスの「16bit/44.1KH」か、ロッシーの「高音質」や「標準」の表示が出ている。まあ、iPhoneユーザーの筆者の場合、出先ではAirPods Proを利用することが多いので、いずれにしてもBluetooth接続による圧縮音源が耳に届くことになり、ハイレゾ音源の意味はなくなるのだが……。
これは余談だが、この秋、ソニーから「ストリーミング WALKMAN」と銘打ったポータブルプレーヤーが発売されたので、「mora qualitasにフル対応か!」と色めき立ったものの、従来の圧縮系ストリーミングサービスに対応したものだった。いずれ、mora qualitasに対応した、スマートフォンやポータブルプレーヤーが登場するのだろうか。期待は高まる。
そして、もう1件、ソニーに対する期待がある。DSD音源でのストリーミング配信だ。実際、DoP (DSD over PCM)を圧縮する研究も進んでいるようだし、これが実現するとハイレゾマニアとしては、狂喜乱舞するのではないか。
さて、最後に筆者として気になるのは、e-onkyo musicの動きだ。ハイレゾ音源のダウンロードサービスとしては老舗だし、カタログ数も抱負だ。サブスクリプションのストリーミング市場に参入するのかどうか気にしている人は多いのではないか。そこで、「中の人」に個人的に参入可能性の有無を聞いてみたのだが、残念ながら、回答を得ることはできなかった。ハイレゾ音楽のファンにとっては、選択肢が増えて各社で切磋琢磨してくれることが望ましいだけに、老舗のプライドとして参入してほしいものだ。
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