岐阜県高山市役所、サイボウズのPaaS「kintone」導入 死亡手続き・観光調査のシステムを自ら開発
サイボウズが、業務用システムの開発に対応したPaaS「kintone」を、岐阜県の高山市役所に提供。業務効率化に向けた実証実験を行う。同市役所の職員が、市民の死去に伴う手続きで使用するシステムと、観光者数の統計調査システムを設計・開発する。
サイボウズはこのほど、業務用システムの開発に対応したPaaS「kintone」を、岐阜県の高山市役所に提供し、業務効率化に向けた実証実験を行うと発表した。自治体での有用性を検証する狙いで、実験期間は1〜3月。
kintoneは、コーディングが不要で、必要な要素をドラッグ&ドロップで組み合わせるだけで業務用システムを構築できるPaaS。高山市役所はこれを活用し、市民の死去に伴う手続きで使用するシステムと、観光者数の統計調査システムを自ら設計・開発する。
市民が死去した場合は、親族などが市役所を訪れ、住民票からの抹消届や死亡届の提出、年金の受給停止手続き、世帯主の変更などを行う必要がある。高山市役所ではこの際、関係部署が多岐にわたることから手続きが複雑化し、親族などに複数回訪問してもらう手間が生じていた。
今回の実験では、親族などが来所した際の手続きがワンストップで完了するシステムをkintoneで構築し、訪問者と職員の負担軽減を目指す。
また同市役所は、観光分野の統計調査の一環で、市内にある約350の宿泊施設から、毎月の宿泊者数に関するデータをFAXやExcelで収集していた。提供された情報は、職員が手入力で集計していたため、時間がかかる点が問題視されていた。
今回の実験では、データの提供・集計がネット上で完結するシステムを構築し、調査の迅速化を図る。
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