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「チームの半数は修士号を取得」「20カ国以上から採用」 世界のAI人材が日本のベンチャーに集まるワケ(3/3 ページ)
AI-OCRサービス「Tegaki」などで知られるCogent Labsには、世界20カ国以上からAI人材が集まっている。なぜ日本のスタートアップに海外の人材が集まるのか。Cogent Labsに聞いた。
海外人材を受け入れる体制も重要
最近では、Googleなどの大手企業や有名大学のネットワークの中でCogent Labsの話題が口コミが広がり、海外人材からの直接応募も増えてきているという。ただし、実際に海外人材が日本で働く場合はカルチャーギャップが大きく、想像していなかったような苦労を経験することもあるため、採用時や採用後のサポートは必須だ。
Cogent Labsでも「まずはできることからやっている」とスリマさん。航空券の予約から一時的な住まいの用意、住居探しまで、引っ越しをスムーズに行えるようサポート体制を整えているところだという。加えて、配属先のチームマネージャーの教育も重要だと指摘する。
「他社の話を聞くと、『海外から来ているのに、周りがサポートしてくれなくて嫌だった』と不満を抱えている人もいるようです。当社には20カ国以上から人材が集まっていますので、そうならないように責任を持ってやることは意識しています。助け合えるような組織づくりをしなければいけません」(スリマさん)
AI人材の獲得は報酬面の話題がクローズアップされがちだが、働きがいやサポート体制、オフィスの魅力なども含めて総合的に考えていく必要があるだろう。特に、スリマさんの話にあったように、研究者にとって知的好奇心の赴くままに研究できる自由は、報酬以上の価値となる。人材採用に注力している企業は、意識して検討していかなければならない要素だろう。
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