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2台の扇風機で多様な風向き知覚 東京大学、「AlteredWind」発表:Innovative Tech
VR体験などでさまざまな風向きの風を必要とするときなど、設備が大規模になってしまう。この技術があれば、対応が可能かもしれない。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
東京大学の研究チームが2019年11月に発表した「AlteredWind」は、VR体験における風向きの知覚を視聴触クロスモーダル効果によって操作するシステムだ。
AlteredWindは、2台の扇風機、立体音響、流れる風の立体映像の3つを同時に制御することで、少ない風源でさまざまな風向きを生成する。具体的には、前後に設置した扇風機からの風、バイノーラル録音による風の立体音響、飛んでいるパーティクルの映像を統合する。
これは、触覚、聴覚、視覚からのクロスモーダル効果を利用している。3つの感覚へ風向きに合った刺激を提示することで、ユーザーは現実とは違う方向から風が来たように感じられる。
従来、VR体験中に方向の変わる風を再現したい場合には、必要な風向きの分だけ風源を配置するしかなかった。今回提案された手法では、大量の扇風機を必要とせず、2台の扇風機のみでさまざまな風向きの知覚を再現可能なため、低コストでVRコンテンツなどに導入できる。
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