セクハラ調査対象だったGoogle親会社の最高法務責任者が退社 退職金はゼロ
Googleの最高法務責任者(CLO)を長年務め、現在は親会社AlphabetのCLOであるデビッド・ドラモンド氏が1月末付で退社する。同氏はAlphabetの取締役会が昨年11月に開始した幹部のセクハラ調査の対処になっていた。退職金はゼロだ。
米Googleの親会社Alphabetの最高法務責任者(CLO)、デビッド・ドラモンド氏(56)が1月31日付で退社する。同氏は取締役会が昨年11月から実施している幹部のセクハラに関する調査の対象の1人だった。米Forbesが1月9日(現地時間)、Alphabetの広報担当者のコメント付きでそう報じた。
Alphabetによると、退職金は支払われない。Googleでは2018年11月、セクハラを報告された後退職した幹部、アンディ・ルービン氏に9000万ドルもの退職金を支払ったことなどに従業員が抗議し、「Google Walkout」運動につながった。
昨年8月に、ドラモンド氏の元部下で交際相手でもあったジェニファー・ブレイクリー氏が2人の関係やそれが原因でGoogleを退社することになった経緯などをMediumに投稿した。この投稿によると、ドラモンド氏はブレイクリー氏以外の部下とも交際した。同氏は9月にGoogleの従業員と結婚した。
ドラモンド氏は2002年に法務担当副社長としてGoogleに入社し、2006年からGoogleのCLOを務め、2015年にAlphabetのCLOに就任した。同氏は法務全般の他、Alphabetの2つの投資部門、GV(旧Google Ventures)とCapitalGも統括している。
米証券取引委員会(SEC)のWebサイトで検索すると、ドラモンド氏は昨年11月から数回にわたってAlphabetの持株を大量に売却しており、合計額は2億ドル以上になる。
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