AirPods Proのペアリングが「超簡単」といわれる理由
「AirPods」シリーズはiPhoneとのペアリングが簡単になっています。今回はその仕組みと利便性について解説します。
Appleの「AirPods」シリーズはiPhoneとのペアリングが簡単であることも、多くのユーザーから支持される理由の一つになっています。実際、何と比べてどう優れているのでしょうか。
従来のAirPodsと、2019年秋に発売された「AirPods Pro」は、ともにイヤフォンの充電ケースのフタを開け、最新バージョンのiOSを搭載したiPhoneに近づけると、iPhoneの画面にAirPodsのアニメーションがポップアップします。あとは「接続」アイコンをタップするだけでペアリング完了。なるほど、これは簡単です。
このシンプルなペアリング操作を実現したのが、Appleが独自に開発したオーディオ用ICチップ「Apple H1」「Apple W1」です。同じICチップを搭載しているBeats by Dr.Dreブランドの製品も同じようにiPhoneと簡単にペアリングができます(Beatsは14年にAppleが買収)。
通常、他のメーカーのワイヤレスイヤフォンをiPhoneにペアリングする場合は、設定アプリからBluetoothを選択し、ペアリングしたい製品の名前をリストから探してタップした後、少し待つといった作業が必要になります。最近は充電ケースから取り出した時点でペアリングモードが起動している製品も増えていますが、多くの場合は本体のリモコンボタンやタッチセンサーを操作してペアリングモードにしなければなりません。その方法が製品やメーカーによって異なるのも悩ましいところ。iPhoneユーザーにAirPodsシリーズが好まれる理由がよく分かります。
実はAirPodsをiPhoneにペアリングすると、ユーザーがサインインしているiCloudアカウントとひもづくiPadやMac、iPod touchなど、他のApple製デバイスとのペアリングも同時に完了しています。そのため、iPhoneとiPadなど複数のApple製品で同じワイヤレスイヤフォンを共有、使えるところもAirPodsの特徴です。通常は、つながっているプレーヤー機器とワイヤレスイヤフォンのペアリングをいったん解除し、別の組み合わせで再度ペアリング設定を行う必要があります。しかしiPhoneやiPadなら設定アプリのBluetooth機器リストに並ぶAirPodsをタップして選ぶだけなのでとても便利です。
同様に、1台のイヤフォンに複数台のプレーヤー機器をペアリングしておき、互いを切り替えて使えるポータブルオーディオにはJabraの「Jabra Elite 75t」や、マイクロソフトの「Surface Headphones」があります。またソニーの「WF-1000XM3」など、NFCによるワンタッチペアリングに対応したイヤフォンも、相手側のスマホやタブレットもNFCに対応していることが条件にはなりますが、リスニング機器の切り替えは比較的簡単です。
AirPods以外にも、Samsungの「Galaxy S/Note」シリーズのスマホと「Galaxy Buds」、Huaweiの「Mate 20 Pro」など、EMUI10(HuaweiがAndroid上に搭載した独自ユーザーインタフェース)以上を搭載するスマホと「FreeBuds 3」など、電源を入れたワイヤレスイヤフォンにスマホを近づけるだけでペアリング作業できる機器の組み合わせがあります。スマホとワイヤレスイヤフォンをどちらも開発できるメーカーの得意領域といえるでしょう。
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