三菱電機にサイバー攻撃 個人情報や機密情報が流出の可能性
三菱電機は、同社のネットワークが第三者から不正アクセスを受け、個人情報と企業機密が外部に流出した可能性があると発表した。
三菱電機は1月20日、同社のネットワークが第三者から不正アクセスを受け、個人情報と企業機密が外部に流出した可能性があると発表した。最初に不正アクセスを確認した2019年6月から今回の発表まで半年以上期間が空いた理由として、同社は「社内調査に時間がかかった」と説明している。
三菱電機は19年6月28日、社内で使っていた端末で不審な通信が行われていることを確認。外部から社内ネットワークへのアクセスを制限するなど対策し、流出した情報や攻撃者などについて社内調査を行った。
調査の結果、防衛や電力、鉄道などのインフラに関する重要度の高い機密情報や取引先情報などは流出していないと確認できたとしている。今回のサイバー攻撃による被害や影響は見つかっていないという。
同社は20日までに内閣府に現在の状況を報告。菅義偉官房長官は20日の定例記者会見で「不正アクセスにより(三菱電機の)採用応募者や社員の個人情報、営業機密などが流出した可能性があると報告を受けた」と明らかにした。「防衛装備品や機密情報の流出はないと確認済みだと聞いているが、政府としても経済産業省を中心に対応していく」という。
最初の不正アクセスがあったとみられる6月末以降、半年以上にわたり状況を公開しなかった理由について、ITmedia NEWSが問い合わせたところ同社は「社内調査に時間がかかっていたため発表できなかった」と説明。「今もなお調査は続いている」という。現時点で記者会見などを開く予定はない。
情報流出の可能性が示唆されている防衛に関する情報について、防衛省は「現在状況を確認中で、答えられることは何もない。三菱電機の調査を待つ」としている。
三菱電機は通信システムや半導体、防衛機器、交通システムなど、さまざまな分野で事業を展開しており、サイバー攻撃などによる情報流出が起きた場合の影響範囲は広いと見込まれる。
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