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RISCの元祖、IBM 801はなぜ誕生したのか:新連載「RISCの生い立ちからRISC-Vまでの遠い道のり」(3/3 ページ)
RISCプロセッサ。その歴史的経緯を追っていく新連載がスタートします。
78年には実際に動作する801 Processorが完成する。当時のことなので、ECL(エミッタ結合ロジック)のディスクリート部品で構成された。
この写真で向かって右側がCPUボード、左側がメモリボードの配線面と思われるが、要するにこうしたモジュールで801 Processorが構成される形になっている。昨今のCPUと比べると超ばかでかいと思われるかもしれないが、当時としては画期的な小ささだった。動作周波数は40MHzで、これで15MIPSほどの処理性能を発揮したことになる。
このIBM 801は研究プロジェクトではあったが、完成度が高いこともあってか、これを応用する形で製品に転用された。IBM 801そのものは上にも書いたようにECLのディスクリート部品を無理やり配線した代物で、もちろん生産効率なんて考えられていなかったわけだが、IBMはECLのゲートアレイを利用して回路の小型化や生産効率の向上を図ったうえで、これを1985年に発表されたIBM 3090(Sierra、という名前を古いユーザーの方は記憶しているかもしれない)のI/Oプロセッサ用に利用している。
さらに86年には、エントリー向けシステムであるIBM 9370というシステムのメインプロセッサにも採用された。ただこのIBM 9370用は多少命令拡張が施されるなど、オリジナルのIBM 801とはちょっと違う派生型という位置付けではあるが、とにかくこうして世界初のRISCプロセッサが世の中に生まれ、そして製品として出荷されたのである。
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