楽天モバイル、地方は実質“月額2980円で2GB” 今後のエリア拡大計画は(2/2 ページ)
楽天モバイルは、自社回線のエリア内なら月額約3000円でデータ通信無制限のプランを発表したが、地方には楽天回線が整備されておらず、実質的には月間2GBの上限がある。楽天はエリア拡大に積極的な姿勢を見せており、人工衛星を使った通信システムも視野に準備を進める。
人ではなく、エリア基準で100%カバー目指す
楽天モバイルのエリア拡大はこれまで難航してきた。用地交渉が進まず基地局整備が遅れたため、総務省からは3回の行政指導を受けている。しかし、20年に入ってからは整備を加速しており、3月の時点で基地局数は約4400局と総務省に提出した計画値3432局を上回る見込みだという。
山田社長は、以前から「楽天グループの総力を挙げて基地局建設に取り組んでいる」とアピールしており、3日の発表会では今後の基地局整備について「総務省に提出している21年3月の計画値8600局は大幅に前倒しで(実現するように)動いている」と積極的な姿勢を見せている。
人工衛星を使ってエリア拡大
目標として山田社長が挙げたのは「人口ではなくエリアのカバレッジで100%を目指す」だ。「実は、人が住んでいないエリア、極端に人が住んでいないのでケータイがつながりにくいエリアはまだまだある」(山田社長)とし、人の少ない地域でも通信サービスができるよう整備するという。
この目標を実現するため、楽天は3月3日、人工衛星を使った通信技術を持つ米AST&Scienceと資本業務提携したと発表した。地上の基地局ではなく人工衛星とスマートフォンが直接つながるシステムを作り、「将来的には世界中どこに行っても衛星経由でつながるというプロジェクトを始める」(三木谷氏)と語った。
人工衛星を使った通信では、地方でも都市部で提供されているのと同様の通信サービスを提供できる他、台風や地震などの緊急事態や災害時にもネットワークを確保できるというメリットがあるという。
商用化の時期は未定というが、楽天は今後、国内での基地局整備を進めると同時に、AST&Scienceとも研究開発を進め、国内外問わずどこでも通信できる環境の整備を目指す。エリア拡大以外にも、6月に控えた5Gサービスの開始に向けた準備を引き続き行っていくという。
関連記事
- 楽天モバイル、月額2980円で通話・データ無制限 料金プランは1つのみ、4月8日にサービスイン
楽天が4月8日に始める携帯キャリアサービスの料金プランを発表した。料金は月額2980円で無制限のデータ通信を行える「Rakuten UN-LIMIT」の一つのみ。300万人を対象に1年目は無償で通信サービス提供する。 - 楽天モバイル、月額2980円で通話・データ無制限 料金プランは1つのみ、4月8日にサービスイン
楽天が4月8日に始める携帯キャリアサービスの料金プランを発表した。料金は月額2980円で無制限のデータ通信を行える「Rakuten UN-LIMIT」の一つのみ。300万人を対象に1年目は無償で通信サービス提供する。 - 楽天モバイル、「UN-LIMIT」以外の楽天回線プランも存在? 一部ユーザー向けに夏ごろ案内
楽天モバイルのMVNOを契約しているユーザーの一部は、同社のMNOプランである「UN-LIMIT」以外のプランを今後選べるようになることが分かった。 - ソフトバンクとGoogle兄弟会社、成層圏に“基地局”構築へ
ソフトバンクが、通信基地局の代わりになる無人航空機を成層圏に飛ばす事業を始める。ソフトバンク子会社のHAPSモバイルと、米Alphabet子会社のLoonが協業する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.