JR稲城長沼駅前に実物大「スコープドッグ」登場、製作費2500万円も市の負担はゼロの理由
稲城市がJR稲城長沼駅前に設置した実物大「スコープドッグ」。約4mのモニュメントを製作するのに約2500万円かかったが、市の負担はゼロだったという。
東京都稲城市は、JR南部線の稲城長沼駅前に設置した実物大「スコープドッグ」のモニュメントを3月15日に公開した。FRP製のモニュメントは、台座を含めて高さ約4m。稲城市が観光客誘致と地域の活性化を目的に進めている「メカニックデザイナー大河原邦男プロジェクト」の一環で製作した。
稲城市は、「機動戦士ガンダム」や「装甲騎兵ボトムズ」など多くのロボットアニメでメカデザインを担当した大河原邦男さんが生まれ、現在も住んでいる場所だ。2016年にスタートした大河原邦男プロジェクトは、観光案内所「いなぎ発信基地ペアテラス」のオープン時に高さ約3.6mの「ガンダム」と「シャア専用ザク」のモニュメントを設置して話題になった。今では、市内5カ所のマンホールふた、用水路の転落防止柵、「ヤッターワン」のモニュメントなど、市内のいたる場所で大河原さんが生み出したロボットやキャラクターが見られる。
今回のスコープドッグは、1982年放送のロボットアニメ「装甲騎兵ボトムズ」で主人公のキリコ・キュービィーが主に搭乗した人型兵器(アーマード・トルーパー:AT)。ATは高さ3〜4mと当時のアニメに登場するロボットとしては小型で、ターレット式の3連カメラや通信用のアンテナなど、兵器としてのリアリティーを追求したデザインで人気を集めた。
モニュメントの製作は、映画「ゴジラ」などの怪獣造形で知られる開米栄三さん率いる造形会社「開米プロダクション」が担当。製作費は約2500万円かかったが、稲城市によると市の負担はゼロだという。東京都が2019年から実施している「アニメ等コンテンツを活用した誘客促進事業」の助成金2000万円を利用したことに加え、大河原さんが観光協会を通じて500万円を寄付してくれたためだ。大河原さんは以前から地元にもスコープドッグを設置したいと話していたという。
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