消費者庁、ワイヤレスイヤフォンの火災事故で注意喚起 過去5年で25件、ワイヤレススピーカーも16件
消費者庁がワイヤレスイヤフォンなどの火災事故について注意喚起。バッテリーからの発火や発煙といった報告が増加傾向にあるという。
消費者庁は3月25日、ワイヤレスイヤフォンやワイヤレススピーカーの発火や発煙の可能性を指摘し、注意を呼びかけた。同庁の事故情報データバンクには、過去5年間でワイヤレスイヤフォンに関する火災事故などの情報が25件、ワイヤレススピーカーは16件寄せられており、出荷台数が増えるにつれて増加傾向にあるという。
例えば2018年3月には、ネット通販で購入したワイヤレスイヤフォンを初めて充電しているときに発火した事例がある。充電開始から30分程度でボッという音がし、20cmくらい炎が上がっていたという。所有者が近くにいたため大事には至らなかった。
火災になった例もある。16年11月、ワイヤレスイヤフォンが原因でアパートの6畳の和室が燃えた。所有者は不在で直接見てはいないが、消防の調査により机の上に置いてあったワイヤレスイヤフォンが火元とほぼ特定されたという。
この他にもクレーンゲーム機で入手したワイヤレスイヤフォンを充電したら真っ黒に焦げて煙が出た例や、1年ほど使っていたワイヤレススピーカーを充電中にバッテリーが破裂、発火した例なども紹介している。
消費者庁では、リチウムイオン電池を使用している製品は火災事故などが発生する危険性を認識する必要があると指摘。事故を予防する8つの注意点を挙げている。
1)製品に強い衝撃や圧力を加えない、高温の環境に放置しない
2)防水の製品以外は水をかけたり、濡れた手で触らない
3)充電中は周囲に可燃物を置かない
4)異音がする、煙が出ている、熱くなっている、変な臭いがするなどの異常を感じたら使用を中止する
5)充電ケースを布などで覆わない
6)付属の充電ケーブル以外で充電しない
7)製品がリコール対象かどうかを確認し、対象品であれば不具合が生じていなくても使用を中止する
8)製造事業者、輸入事業者や販売元が確かな製品を購入する
ワイヤレスイヤフォンやワイヤレススピーカーも内蔵電池の体積エネルギー密度が400Wh/L以上の製品は電気用品安全法の対象。PSEマークの表示が義務付けられているため、消費者庁は購入時にマークの有無を確認するように呼びかけている。
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