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エネルギー大手JXTG、量子ベンチャーと本格協業 石油などに量子コンピュータアルゴリズム活用
JXTGホールディングスは、量子コンピュータのアプリケーションを開発するベンチャー企業のQunaSysと、量子コンピュータを用いた共同研究について協業を本格化する。石油などの資源を開発、販売する事業に、量子コンピュータを生かしたい考え。
JX石油開発などを傘下に置くJXTGホールディングス(以下、JXTG)は4月21日、量子コンピュータのアプリケーションを開発するベンチャー企業のQunaSys(東京都文京区)と、量子コンピュータを用いた共同研究について協業を本格化すると発表した。石油などの資源を開発、販売する事業に、量子コンピュータの高速な計算手法などを生かしたい考え。
JXTGとQunaSysは2019年に協業を開始。これまでの検討で、量子コンピュータの計算手法を同社グループが持つ技術と組み合わせることで、研究開発の加速や新製品探索の可能性が確認できたという。今回の契約で連携を強化し、2022年度末をめどに人材育成や具体的な実証実験などを行う。
JXTGは、2040年までの長期ビジョンの中で基盤事業と位置付けている、石油・ガス開発、石油精製販売、銅精錬といった事業に量子コンピュータを生かし、キャッシュフローの最大化に取り組みたいとしている。
QunaSysは18年設立の量子ベンチャー。技術顧問に米Googleの“量子超越性実証”論文を査読した藤井啓祐教授(大阪大学)などを抱える。
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