未経験から“AI人材”に データサイエンティストが伝える「機械学習を学ぶ意味」(5/5 ページ)
誰もがAI・機械学習を学ぶことが当たり前の時代になっていく――現役データサイエンティストが“AI人材”に近づくための第一歩を教えます。
AI・機械学習の理解が当たり前の世の中になっていく
政府が発表している「AI戦略」の中にもあるように、これからは高校生や大学生がデータサイエンス・AIの基礎を学ぶことになります。そして、このような学生が社会に出て、ゆくゆくはビジネスや社会の課題を解決するブレイクスルーを起こしていくことが期待されています。
そうすると、現在、働き始めたばかりのビジネスパーソンの皆さんは、今後どのようにAI・機械学習を活用する時代に適用していけば良いでしょうか?
少なくとも自らAI・機械学習を学んでいく必要があります。そうすることで、今働いているビジネスパーソンは、AI・機械学習を早い段階から学ぶ次世代の若者よりも、ビジネス経験では勝るため、ビジネストランスレーターとして価値を出すことができるでしょう。
また、AI・機械学習は常にトライ&エラーが伴うため、失敗を許容し学習しようという組織文化でないと浸透しません。その点で、現在働き始めたばかりのビジネスパーソンの皆さんは重要な役割を果たしていくでしょう。なぜなら、今後10年くらいの間に組織の中心人物になっていく人たちが、AI・機械学習の強み・弱みを理解し、トライ&エラーを当たり前とする文化を作っていけば、これから社会に出てくる若手にとっても魅力的な職場になるはずです。
このように見ていくと、ビジネス経験というアドバンテージを持っている現社会人がAI・機械学習を理解すれば、より仕事を楽しむことができ、無敵になれるというわけです。
在宅時間はスキルアップのチャンス
AI・機械学習のアルゴリズムを理解すれば、仕事を効率化したり、課題解決したりすることができるため、どのような職種の方にも習得していただきたいと考えています。
そして考え方を理解するだけなら、プログラミングをしなくとも、Microsoft office製品の「Excel」でもできるのです。Excelで考え方を理解しておけば、いざ「Python」や「R」といったプログラミング言語でAI・機械学習に取り組もうとしたときに役立ちます。
データサイエンティストになりたい方に限らず、「こういった課題は、こういった手段、ツールで解決できる」と課題解決の思考ができるようになることが最も重要です。
現在は、在宅勤務や外出自粛を強いられており、出鼻をくじかれたと感じている新社会人の方も多いことでしょう。しかし、これからの長い社会人生活で、周囲よりも活躍できるビジネスパーソンになるには、今与えられた時間は、スキルアップするチャンスといえます。
ぜひ、家にいる時間が多いこの期間に、今後の長い仕事人生において役に立ち続けるであろうAI・機械学習を学んでみてください。
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