富士通、「親指シフトキーボード」の販売終了 40年の歴史に幕
富士通は、同社の親指シフトキーボードや関連商品の販売を終了する。1980年5月に発表した、親指シフトキーボード搭載日本語ワードプロセッサ「OASYS100」以来、40年の歴史に幕を閉じる。
富士通は5月19日、同社の親指シフトキーボードや関連商品の販売を終了すると発表した。1980年5月に発表した、親指シフトキーボード搭載日本語ワードプロセッサ「OASYS100」以来、40年の歴史に幕を閉じる。
販売・サポートが終わるのは、親指シフトキーボード2製品(FMV-KB613、FMV-KB232)と親指シフトキーボード搭載の企業向けノートPC1製品(FMCKBD09H)、親指シフト入力に対応したソフトウェア2製品(ワープロソフト「OASYS V10.0」とIME「Japanist 10」)。
ノートPCは21年3月、キーボードは21年5月に販売を終える。ソフトウェアは個人向けには20年9月まで、法人向けには21年5月まで販売する。ハードウェアのサポートは26年4〜6月まで(ノートPCのみ4月まで、他は6月まで)で、ソフトウェアはOASYS V10.0の個人向けが23年9月、法人向けが24年5月、Japanist 10が26年6月まで。
販売終了の理由について富士通は、「JIS配列キーボードがデファクトスタンダードとなり、親指シフトの機能優位性を十分に訴求できない状況が続いていました」と現状を説明。「これまで事業継続のため、業務効率化や商品の価格アップなどの施策を講じてきましたが、この度やむなく、親指シフト関連商品の販売・サポートの終了を決定いたしました」と述べた。
親指シフトキーボードは、富士通が考案した「親指シフト」という入力方式に対応するキーボード。現在一般的となっているJIS配列では両手の親指が置かれる位置にスペースバーがあるが、親指シフトキーボードでは左手の親指が置かれる位置に「親指左」、右手の親指の位置に「親指右」というキーがあるのが特徴。親指キーと他の文字キーを同時に打鍵することで、ローマ字入力よりも効率的に日本語を入力できるのがメリットとされている。
同社のOASYSシリーズなど80年代の日本語ワードプロセッサで採用されたが、JIS配列キーボードやPCの普及に伴い、富士通以外のメーカーが採用する事例は減っていった。
関連記事
- 配列も配置も自由自在──“無限の組み合わせ”が試せるキーボード「DUMANG DK6 Mini」レビュー
- 「メンブレン」「静電容量無接点」「メカニカル」──なぜキーボードはキーを入力できるのか 打鍵感の要「キースイッチ」のキホン
今回はキースイッチの入力方式の大まかな分類と、その中でも自作キーボードでメインの話題となる「メカニカル方式」の概要についてお伝えしていく。 - こっちの沼は深いぞ、自作キーボード組み立て入門 左右分離型の「Corne Cherry」で各工程を解説
今回は実際に自作キーボードを1台組み立てることで、組み立ての流れや各パーツの役割などを紹介していく。組み立てに選んだのは、左右分離型でコンパクトなキーボード「Corne Cherry」。 - 「青軸」「茶軸」だけじゃない 自作キーボードで多様な進化を遂げた「互換キースイッチ」たちとその先にある改造の“沼”
キーボードの打鍵感の要となる「キースイッチ」が、自作キーボードの世界で多様な進化を遂げていることを今回は紹介していく。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.