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「僕は本当に入学していますか?」 コロナ禍で進む大学オンライン化、学生は困惑 教授らに実情を聞いた(2/5 ページ)

新型コロナウイルス感染症の流行で大学のオンライン化が急激に進んでいる。新型コロナの対応には困難を挙げればキリがないが、遠隔教育の可能性が一気に広がるチャンスでもある。今回は、5大学の教授たちに各大学の現状とオンライン化の難しさ、メリットを教えてもらった。

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第1の困難 “システムを使うためのシステム”が使えるか

──大学のオンライン化で難しかったことを教えてください。

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東京農工大学の三島和宏助教(総合情報メディアセンター)

農工・三島先生 まずは新入生などに、大学のシステムを使うためのアカウントを発行しないといけません。IDやパスワードの通知書は学生に郵送しましたが、初期パスワードを変更するシステムが学内からしかアクセスできなかったので、急いで学外からアクセスできるようにしました。

──システムを使わせるまでが第1のステップですね。

慶應・植原先生 うちもアカウントを持っていない先生が結構いて、発行で担当部署がてんやわんやになっています。

農工・三島先生 学生証も発行できなくて悩んでいます。学生証を郵送して盗まれるといけないので、本人に手渡しするのが課題です。

「僕は本当に入学したんでしょうか」

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慶應義塾大学の植原啓介准教授(環境情報学部)

慶應・植原先生 (学生証がなく)学生から、僕本当に入学したんでしょうかという問い合わせもあります。すごく不安なのでしょうね。

──せっかく合格したのに、大学にほとんど行ったことがなく、学生証も持っていないとなるとやはり不安なのでしょうか。

慶應・工藤先生 実家から通っている学生はいいですが、上京して地元に戻ることもできず、初めての1人暮らしでどこにも行けず、不安になっている学生もいるようです。

東洋・澤口先生 例年なら1年生は少人数ゼミで友達を作るのですが、それが難しいので、オンラインで横のつながりができないかと検討しています。

 Twitterでは「#秋から東洋」「#いつから東洋」というハッシュタグもあったりして、横のつながりを作ったりしているようです。

──毎年、春になるとTwitterでは新入生が「#春から〇〇大学」とハッシュタグを付けて友達作りをしますが、今年は派生タグができているのですね。

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