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VOCALOIDじゃない「初音ミク NT」は何が違う? 現役ユーザーが詳細レビュー(3/5 ページ)

クリプトン・フューチャー・メディアが4日にリリースした“VOCALOIDじゃない初音ミク”こと「初音ミク NT」を早速触ってみた。本当に欲しかった機能が盛りだくさんのお手本のような現代的歌声合成ソフトに仕上がっていた。

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波形のリアルタイム表示

 絵を描くときには当然、絵を見ながら描くわけだが、歌声を合成する際には波形を見ながら編集するのは難しかった。VOCALOIDでも最近まで出力波形が見えないまま歌声を編集していたのだ。

 子音の長さを調節しようにもどれくらいの長さなのか見えないし、音量を操作するにももとの波形が見えなくては音量が分からないという状況だった。もちろん音は再生されるので耳で聞いて良いなら問題はないのだが。

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ちなみに、子音の長さはVOCALOIDの逆向きにコントロールするので注意

 新Piapro Studioには出力波形のリアルタイム表示機能が備わっている。耳で聞いて「ここはちょっと発音タイミングが早いかもしれない」「音量に謎のブレがあるけど耳ではどこにあるか正確に分からない」と悩んでいる暇があったら、波形を見て直したほうが速い場合もある。いらないところで悩む必要は無い。

 また、地味だが、子音の長さとは別に母音の立ち上がりもコントロールできるのがかなり良い。これも波形として見て取れるため、効果が分かりやすい。

 母音の立ち上がりが曲に合っていないと「歌声がヌメヌメしている」「逆にはっきりしすぎて聞き取りづらい」ということになりがちだ。個人的には合成音声の一番納得のいかないところだ。これまでは、CeVIOやSharpkeyといったごく限られた歌声合成でしかコントロールできなかった。

 直したいのに直せない状況がずっと続いていたので、純粋にかなりうれしい機能だ。逆に「今までやってた作業、効果があるつもりだったけど波形変わってないな」ということも分かってたまに落ち込む。

 出力音声の波形表示は、商業ソフトとしてはかなり珍しい機能だ。私の知る範囲では2018年発売のVOCALOID5以外にない。操作の結果が見た目で分かるため、自信をもってテキパキと作業ができる。

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フリーソフトなら古くからある

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