分散型SNS「マストドン」の日本で2番目に大きいサーバ(以前はインスタンスと呼ばれていた)「mstdn.jp」の存続が決まった。運営する分散型ソーシャルネットワーク機構は「mastodon.cloud」とともに6月30日でサーバを閉鎖することを発表していたが、このほど譲渡先が決まったことを明らかにした。両サーバの新しい運営元は、分散化や暗号化技術を扱う米ベンチャー企業のSujitechとなる。
Sujitechのスジ・ヤンCEOは「インスタンスの保守を継続し、ユーザーのデータを安全に保つ。当社は長年、非中央集権技術と連合型ソーシャルネットワークをサポートしてきた」とコメントしている。同社は、Twitterとマストドンのどちらも閲覧できるAndroidクライアントアプリ「Twidere」のメンテナーでもある。
分散型ソーシャルネットワーク機構はmstdn.jpなどを終了する理由として、ネット上の中傷に対する法制強化が実現された場合に運営の事務負担増加に対応しきれないことを挙げていた。
SujitechのヤンCEOは、「米国における非中央集権技術に関する法律や規制は、さまざまな点で技術と親和性が高い。この運営変更で、mstdn.jpが抱える問題のいくつかは解決できる」とコメントしている。
分散型ソーシャルネットワーク機構は、複数企業からの提案を検討し、同社への譲渡を決定したという。
※初出がmastodon.socialになっておりましたのを修正しました。
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