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スパコン「富岳」で感染症の広がり、通勤電車内の気流をシミュレーション 理研らが研究成果を公開(1/2 ページ)

理化学研究所らは、スーパーコンピュータ「富岳」を使った新型コロナウイルス感染症の研究について研究成果を発表した。感染リスクや対策の効果を数値化し、具体的な対策方法や経済活動の復帰に向けた施策立案に役立てたい考え。

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 理化学研究所は6月17日、スーパーコンピュータ「富岳」を使った新型コロナウイルス感染症の研究で、「空いている電車はオフィスより換気が効いている」「(感染拡大の対策に)『接触確認アプリ』は有効」──とする研究成果を発表した。

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スーパーコンピュータ「富岳」

 神戸大学や京都工芸繊維大学と共同で行った研究では、室内における人の会話やくしゃみで発生する飛沫の動きをシミュレーションした。「不織布マスクは、顔とマスクの隙間から飛沫が40〜50%漏れている」「小さいオフィスでしゃべると2mほど飛沫が飛ぶ」「頭より高い飛沫防止パネルを使うと、相手に届く飛沫が10分の1に抑えられる」など、具体的な結果が得られたという。

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口の高さ程度の飛沫防止パネルでは効果が限定的

 電車内の空気の流れをシミュレーションした研究では、「混雑していない車内は、一般的なオフィスより換気ができている状態になる」「混雑時に窓を開けると一般的なオフィスと同程度の換気が期待できるが、ムラが生まれるため人と距離をあける必要がある」という。

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電車内の空気の流れ

 いずれも、従来使っていたコンピュータに比べ数百から数千倍の計算能力を持つとされる富岳を使うことで、シミュレーションの精度や規模を向上させたとしている。

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