接触確認アプリ、iOSとAndroidでOSの対応状況が違うのはなぜ?
新型コロナ陽性者に接触した可能性を通知するアプリ「接触確認アプリ(COCOA)」。iOSは最新版であるiOS 13.5以上での対応となるが、AndroidはAndroid 6.0以上と、最新版のバージョン10に比べて古いOSでも対応する。なぜ2つのOSで対応に差が生まれているのだろうか。
厚生労働省が開発する、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性者に接触した可能性を通知するスマートフォン向けアプリ「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」の配信が6月19日に始まった。iOSは最新版であるiOS 13.5以上での対応となるが、AndroidはAndroid 6.0以上と、最新版のバージョン10に比べて古いOSでも対応する。なぜ2つのOSで対応に差が生まれているのだろうか。
「Google Play開発者サービス」がOSとは別に機能追加
理由は2つのOSで、システムレベルのアップデートの方針に違いがあるからだ。iOSはシステムの機能追加や不具合修正を、OSのマイナー(もしくはメジャー)アップデートとして配信する。古いiOSを搭載するiPhoneでもセキュリティの問題があった場合には修正のマイナーアップデートが来ることもあるが、基本的には新たな機能を追加する際には最新のiOSへのアップデートが必要になる。
それに対し、Androidには「Google Play開発者サービス」という、各種アプリのバックグラウンドで動作するサービスアプリがある。このサービスは各Android上のアプリがGoogleの各種サービスを利用する際のAPIの役割を果たす他、システムアプリの機能追加などにも使われる。
同サービスは1アプリケーションとして各Android端末にデフォルトでインストールされている。このため、端末メーカーによって対応がまちまちなOSアップデートとは別に、Google Playからのアプリ更新の仕組みを使って米Googleがアップデートを配信できる。
厚労省の接触確認アプリが対応している、米AppleとGoogleの共通通信規格である接触通知APIについては、GoogleはGoogle Play開発者サービスのアップデートで対応したため、比較的古いAndroid OSでも対応できることになったということだ。
ただ、厚労省はAndroid端末について「Android 6.0以上であっても動作しない場合もある」として、接触確認アプリの公式サイト上で動作確認機種を公開している。Android端末の種類は膨大なため、自分の端末が対応しているかどうかは、Androidの設定画面の「Google」の項目の中に「COVID-19に関する通知」があることを確認した上で、実際にGoogle Playから接触確認アプリをインストールしてみるのが手っ取り早いだろう。
一方のiOSはバージョン13.5以上が必須になるが、Appleによれば過去4年間に発売したiPhoneでのiOS 13の導入率は77%、全世代のiPhoneでも70%だという。iPhoneを使っている人の多くは問題なくインストールできそうだ。
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