DockerとAWSが協業 Docker DesktopとAmazon ECSが連係可能に
米Dockerと米Amazon Web Services(AWS)が協業。WindowsやMacでDocker環境を利用できる「Docker Desktop」と、AWSのコンテナ環境であるAmazon ECS(Elastic Container Service)との連係が可能になった。Dockerは米Microsoftとも協業している。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「Docker DesktopとAmazon ECS(Elastic Container Service)が連係可能に。DockerとAWSが協業」(2020年7月13日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
WindowsやMacでDocker環境を利用できる「Docker Desktop」と、Amazon Web Services(AWS)のコンテナ環境であるAmazon ECS(Elastic Container Service)との連係が、米Dockerと米Amazon Web Services(AWS)からこのほど発表されました(Dockerの発表、AWSの発表)。
Dockerには、複数のDockerコンテナ、例えばバックエンドとフロントエンドの2つのコンテナから構成されるシステムの状態をYamlファイルとして記述し、まとめてデプロイできる「Docker Compose」機能があります。
しかしこの機能は、あくまでDocker Composeに対応したプラットフォームに対してしか利用できません。
今回発表された新機能は、Docker DesktopのコマンドラインからDocker Composeコマンドを用いてAmazon ECSへ簡単にコンテナアプリケーションがデプロイできる、というものです。
これによりDocker Desktopを用いてローカルマシンで開発したシステムを簡単にAWSへデプロイできるようになります。
関連記事:Docker DesktopのコマンドラインからAzureへコンテナのデプロイなどシームレスに操作可能に。マイクロソフトとDockerが提携強化で
Dockerはすでに米Microsoftとの協業により、Docker DesktopからMicrosoft Azureへ簡単にシステムをデプロイする新機能を6月に発表しています。
今回発表されたAWSとの協業による新機能は、これのAWS版といえるもの。つまりDocker Desktopを用いることで、簡単にAzureへもAWSへもシステムがデプロイできるようになるわけです。
Docker社は2019年11月に、それまで注力していたエンタープライズ向けの製品群をすべてMirantis社へ売却し、以後はデベロッパー向けのツールに注力することを表明。それ以後はWindows/Mac/LinuxでDockerコンテナ環境を実現するたDocker Desktopと、コンテナのリポジトリとなるDocker Hubが同社の核となっています。
関連記事:Docker社、今後はDocker Desktopなどデベロッパー向けツールに注力。エンタープライズ向け製品群はMirantisへ売却と発表
Docker DesktopにおけるAzureとAWSとの連係は、そうした同社の方向性を明確に示すものです。そして今後も、Docker Desktopのパブリッククラウドとの連係、Docker Hubのコラボレーションツール化はさらに進展するものと思われます。
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