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Apple、アイルランドの税優遇をめぐる130億ユーロ追徴課税裁判で勝訴(一審)
欧州連合が2016年、アイルランド政府に対しAppleに最高130億ユーロ(約1.5兆円)を利子付きで追徴課税するよう要請したことに関する裁判で、一審の裁判所がこの要請を無効と判断した。
アイルランドが米Appleを法人税で優遇していたのは違法であるとして、欧州連合(EU)がアイルランド政府に対し、Appleに最高130億ユーロ(約1.5兆円)を利子付きで追徴課税するよう要請したことに関する裁判で、EUの一審に当たる一般裁判所は7月15日(現地時間)、このEUの決定は無効だとする判断を下した。欧州委員会が優遇措置の違法性を十分示していないためとしている。
欧州委員会は2014年からこの件の正式調査を開始し、アイルランド政府とAppleが1991年と2007年に合意した税優遇の取り決めは違法だとの見解を示し、2016年に追徴課税の要請を決定した。アイルランド政府はこれを不服として提訴していた。
当時要請を決定した欧州委員会の競争政策担当コミッショナー、マルグレッタ・ヴェスタヤー氏は裁判所のこの決定を受け、「欧州委員会は、すべての企業が税金を公平に支払うべきであるという目標を完全に支持している。不正な優遇措置は公正な競争に悪影響を及ぼす」と主張し、「欧州委員会は、EUの国家援助ルールに基づく積極的な税務計画措置を引き続き検討し、それらが違法な国家援助をもたらすかどうかを評価する」と語った。
欧州委員会、アイルランド政府、Appleは、2カ月以内に控訴することができる。
ヴェスタヤー氏は「この判決について慎重に検討し、次のステップに反映する」としている。
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