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データサイエンティストが「鬼滅の刃」を読むべき理由マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(3/3 ページ)

鬼滅の刃の主人公・竈門炭治郎とデータサイエンティストには意外な共通点が──? 自称“AI(人工知能)ベンチャーでの経験を基に情報発信するマスクマン”こと、マスクド・アナライズさんが解説する。

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若手とのコミュニケーションにも鬼滅の刃は有用

 一方で、既にデータサイエンティストとして活躍する経験者にも鬼滅の刃はおすすめです。

 企業内で活躍する経験者を作中の登場人物に置き換えると、鬼殺隊の実力者である“柱”に当たります。新人である炭治郎を部下として、一緒に戦いながら管理・監督する役割です。

 かつて「データサイエンティスト」という単語が存在しなかった時代は、分かりやすい技術書も、日本語の情報も、便利なツールやライブラリもなく、複雑怪奇なデータベースに悩まされました。当時と比べればデータサイエンティストになるための道のりは整備されており、「俺たちが若い頃は、“カステラ本”(※)を枕にして寝たもんだ」と言っても、同じ苦労を共有できる可能性は低いでしょう。

※カステラ本:「統計的学習の基礎 データマイニング・推論・予測」(共立出版)のこと

 漫画においても同様で、年上世代が「最近のジャンプ漫画なんて知らないし……」くらいに思っていても、若手世代は「そもそも漫画雑誌読まないし」などと意識の前提から異なります。そこで若手社員とのコミュニケーションツールとして成立し得るのが、アニメ放映から人気を博した鬼滅の刃です。

 新人の若手データサイエンティスト、つまり“鬼滅の刃”世代に、「ドラゴンボール」や「スラムダンク」の話をしても通じる可能性は低いでしょう。若者世代は戦闘力53万に恐怖したり、桜木と流川のパスに感動したことは(ほぼ)ありません。年上世代がこれらの話をしても、新人は気を遣ってうなずくしかないのです。

 ならば年上世代が歩み寄って、鬼滅の刃を題材に、育成やキャリア形成について話す方がずっと前向きでしょう。


昔の漫画より鬼滅の刃で説明

 経験者としてIT業界の動向を追うだけでなく、若手社員と安全なコミュニケーションを取るために世間の話題も把握してはいかがでしょうか。

 「いい歳して漫画はちょっと……」と敬遠する人もいるかもしれませんが、鬼滅の刃においてもジャンプ三原則である「友情・努力・勝利」は健在です。かつての王道ジャンプ漫画が好きな人ならば、楽しめるでしょう。若手もベテランもお互いが歩み寄りながら、コミュニケーションが円滑なデータサイエンティストチームを目指すためのツールとして、鬼滅の刃の一読をおすすめします。

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