キヤノン、コロナで赤字決算 オフィスとカメラ事業に打撃
キヤノンは、2020年12月期第2四半期(4〜6月)の純利益がマイナス88億円の赤字に転落したと発表した。新型コロナウイルス感染症の影響で、主力のオフィス事業やイメージングシステム事業が打撃を受けた。
キヤノンは7月28日、2020年12月期第2四半期(4〜6月)の純利益がマイナス88億円の赤字に転落したと発表した。新型コロナウイルス感染症の影響で、主力のオフィス事業やイメージングシステム事業が打撃を受けた。
前年同期に営業利益400億円だったオフィス事業は営業損失9億円の赤字に。4月の緊急事態宣言で企業のオフィスの多くが閉鎖され、オフィス向けプリンタの設置や印刷需要が落ち込んだ。
イメージングシステム事業は黒字を確保したが、営業利益は8億円と前年に比べ大幅減(前年同期は127億円)。カメラの売上が前年の約半分にとどまったが、家庭向けインクジェットプリンタが在宅勤務や在宅学習の増加で需要を伸ばした。
唯一、前年同期比で増益となったのはメディカルシステム事業。営業利益は59億円(前年34億円)。新型コロナの影響で商談機会が減り、やや減収した(前年1051億円→1019億円)が、経費の見直しにより増益となった。
同社は20年の年間業績について、売上高3兆800億円(前年比14.3%減)、営業利益450億円(同74.2%減)、純利益430億円(同65.6%減)と見通した。「今後の経済は今の状況を底にして上向いていくと想定する」としつつも、「新型コロナ自体の収束めどが立っておらず、下期の回復ペースは限定的」との見方を示した。
同社は19年に、オフィス機器やカメラの市場縮小に合わせて約300億円をかけて構造改革を行った。しかし今回の事業環境の悪化を受け、20年にも約150億円をかけて追加の構造改革を行うとしている。
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