Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
独Hochschule Bonn-Rhein-Sieg(H-BRS)と加サイモン・フレイザー大学による研究チームが開発した「FaceHaptics」(PDFへのリンク)は、VRプレイヤーの顔に、風、暖かさ、柔らかさなどのさまざまな触覚を与えるヘッドマウントディスプレイ統合型ロボットアームシステムだ。
このシステムでは、ロボットアームをヘッドマウントディスプレイ前方に取り付けて、顔の前からプレイヤーの口周辺に触覚フィードバックを提供する。ロボットアームは、4自由度をサポートしており、横の動きは中心からプラスマイナス67.5度(合計135度)の範囲で回転しカバーする。
ロボットアーム先端には、熱線(約55度まで発熱)を備えたファンとスプレーノズル、交換可能なヘッドが備わっており、ヘッドには、羽毛やフォーク、口紅など、さまざまなアイテムを装着できる。
これらの機能を駆使して、VRコンテンツと連動したさまざまな触覚を生み出す。熱線を備えたファンからは空気の流れや風、暖かさや熱を、スプレーノズルは水を噴射して濡れた感覚を与える。ヘッドにゴム製アイテムを取り付けて顔に押し当てることで柔らかさを感じさせたり、羽毛を取り付けて左右に振ることでソワソワした感触を与えたりすることもできる。さらに、食品を取り付けて、実際に食べさせることも可能だ。
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