「バッグが開いてますよ」と教えてくれるスマートファスナー「Zippro」 指紋認証も装備:Innovative Tech
バックパックが開いたままで歩いていることがなくなるかもしれない。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米ダートマス大学、台湾大学、北京郵電大学、米カーネギーメロン大学、豪モナーシュ大学による研究チームは、インタラクティブな操作ができるスマートファスナー「Zippro」を開発した。ファスナーに指紋認証やセンサーが付くことで、意図せずにバッグが開いているのを知らせたり、トイレの回数から病気の兆候を検知したりできる。
日常的に使用するバックパックや衣類などのファスナー部分を、スマートフォンなどのコントローラーとして機能させる。
プロトタイプは3Dプリントしたスライダーとプーラー、赤外線センサー、静電容量センサー、指紋センサー、センシングボード、バッテリーなどで構成。
プロトタイプは、(1)ファスナーの位置の検出、(2)スライドさせた時の動きの追跡、(3)プーラーへのタップやスワイプなどのタッチジェスチャー認識、(4)指紋認証による個人識別――の4つの機能を兼ね備える。
スライダーの動きと移動距離は、赤外線センサーで動いた歯の数をカウント。プーラーの外向き側に配置した静電容量式センサーで、プーラーのタップとスワイプを感知する。プーラーの内側に配置した静電容量式タッチ指紋センサーを使って、ハンドグリップの検出とユーザーの識別を行う。
プロトタイプの実証用アプリがいくつか紹介されている。バックパックに実装したアプリは、ファスナーが開けられると盗難防止のためスマートフォンに通知してくれる。指紋認証で持ち主でないと判断した場合のみ通知する。
また、利用者が帰ろうとするときにファスナーが開いたままであれば、スマートフォンに通知する。
このファスナーは頻尿の検出にも使える。プロトタイプをジーンズのフロントファスナーに実装することで、開閉の回数をカウントし、1日を通してファスナーの使用をモニター(排尿頻度を算出)。異常があればスマートフォンに通知するなど、症状や体調変化の兆候に早い段階で気付ける。
関連記事
- 車椅子がロボットと合体 遠隔操作でユーザーを助ける「SlideFusion」
ロボットをアバターで操作するが、車椅子利用者はいちいち指示を出す必要がない。 - 食事をもれなく記録するメガネ「FitByte」 カーネギーメロン大学開発
食べる動きや咀嚼、喉の振動を検出するメガネ型デバイス登場。 - セリーナ対フェデラー? 夢のテニスマッチをビデオ合成できる新技術、スタンフォード大が開発
さらには自分自身と対戦。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.