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菅新総裁、「デジタル庁」創設に意欲 各省庁に散らばるデータを統合、法改正も視野
自民党の新総裁に選ばれた菅義偉官房長官が、省庁再編の一環で「デジタル庁」を創設する意向を示した。各省庁に分散するデータを統合し、柔軟な利活用につなげるという。菅新総裁は「法改正に向け、早速準備する」と述べた。
9月14日に自民党総裁選が行われ、菅義偉官房長官が新総裁に選出された。菅新総裁は同日記者会見し、省庁再編の一環で「デジタル庁」を創設する意向を示した。各省庁に分散しているデータを統合し、柔軟に利活用できる仕組みを築く考えだ。今後は「法改正に向け、早速準備を行っていきたい」という。
菅新総裁は会見で「役所の縦割り、既得権益、前例主義を打倒して、規制改革をしっかりと進めたい」と明言。注力する施策の1つにデジタル庁を挙げ、「マイナンバーカードがあれば、24時間365日役所に行かなくてもいいような方向にしたい」と述べた。
現在のマイナンバーカードの普及率は約19%。コロナ禍での特別定額給付金や雇用調整助成金の給付を巡って、普及率の低さが指摘されている。政府は普及に向け、2021年3月から同カードを健康保険証として利用可能にする予定だ。現在は、運転免許証との一体化や銀行口座とのひもづけも検討している。
デジタル庁もマイナンバーカードの利用率向上に向け、同カードでの行政手続きの実現に取り組むとみられる。
菅新総裁は、報道陣からの「次期選挙で省庁再編を争点にするか」との質問に対しては「分からない」としつつも、「今は『省庁も変えていかなければならない』とかなりの人が思い始めているのではないか」「目標を決めたら、それに向かって進んでいきたい」と話した。
菅新総裁は16日に新首相に就任する見通し。
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