「フェースシールドでは不十分」 神戸市がコロナ対策で公式見解 ECサイト対応に課題(2/2 ページ)
神戸市が、フェースシールド・マウスシールドは新型コロナウイルスの感染防止効果が不十分だとして、市民にマスク着用の徹底を呼び掛ける通知を出した。一方、国はマスクの着用を公式に推奨しているが、フェースシールドに関する公式見解は出していない。さらなる感染拡大に備え、国は適切な使用法を公式見解として示す必要がありそうだ。
ECサイトではマスク未着用の写真も
行政がこうした見解を述べる中で、誤った使用法が広がっている背景には、ECサイトの商品画像も影響している可能性がある。Amazon.co.jpや楽天市場などの大手ECサイトには、フェースシールドやマウスシールドが出品されている。その一部では、マスク未着用のままシールドを装着しているイメージ画像を使っている。マスクと併用している商品もあるが、ECサイト側に明確な規定はなく、画像の内容はメーカー側に一任しているとみられる。
神戸市は、フェースシールドやマウスシールド単体での使用が広がっている背景について「(ECサイトも)要因の一つとして可能性がある」としたが、「だからといってサイト側に指導することはできない。市としてはあくまでお願いベースになる」と話した。
厚労省は、ECサイトへの指導などについて「準備はしていないが、要望や意見、状況を踏まえながら対応したい」と述べた。現時点で動かない理由は、特定の事業者だけに介入し、公正性が損なわれることを避けるためだという。仮に対応する場合は、厚労省は薬品に対する指導権限しかないため、所管の消費者庁や経産省との連携が必要になるという。
昨今は、地域によっては新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き始めた。政府の「新しい生活様式」の一環で、飲食店で「フェースシールド飲み会」を試そうとする人も出てきている。商業施設の警備員がマウスシールドだけを着け、マスクなしで働く姿を見かけることもある。だが、感染が再拡大する可能性もあることから、国はフェースシールド、マウスシールドの適切な使用法を公式見解として示す必要がありそうだ。
関連記事
- シャープ、プラズマクラスター技術で空気中に浮遊する新型コロナウイルス減少効果を実証したと発表
シャープは9月7日、プラズマクラスター技術で空気中を浮遊する新型コロナウイルスを減少させる効果を実証したと発表した。 - サイゼリヤ、“食事用マスク”全店配備 会話中の飛沫を防ぐ
サイゼリヤが、独自に考案した食事用マスク「しゃべれるくん」を全店に配備。客が自身のマスクに紙ナプキンを組み合わせて作る。食事中の会話による飛沫を抑え、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ。 - ヤフオク!、消毒液・マスクの出品を引き続き禁止 転売規制解除後も、メルカリやラクマに並び
ヤフーが、オークションサイト「ヤフオク!」へのマスクや消毒用アルコールの出品を、政府が転売規制を解除した後も引き続き禁止することを発表。政府からマスクなどの安定した供給に配慮するよう要請されているためという。 - 顔の表情をアバターに即時反映して表示する画面付きフルフェイスマスク 「デジタルカメン」誕生
装着している人の表情がディスプレイに反映される仕組みは世の中に受け入れれられるか。 - ソニー、医療用フェイスシールドと人工呼吸器生産 医療機関を支援
ソニーは、新型コロナウイルス感染症に関わる医療関係者への支援策として、医療用フェイスシールドと人工呼吸器を生産すると発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.