「東京ゲームショウ2020」の歩き方 初のオンライン開催でどう変わる?
24年間の歴史で初めてオンライン開催となる「東京ゲームショウ2020」。参加企業は3分の2以下に減ったが、主催のCESAは来場者に例年と同じ内容を提供しようとしている。
24年間の歴史で初めてオンライン開催となった「東京ゲームショウ2020」(TGS2020)が9月23日から27日まで開催される(23日は商談会)。参加企業は402社と昨年の3分の2以下になったが、主催のCESA(コンピュータエンターテインメント協会)は例年と全く違う方法で、例年と変わらない内容を提供しようとしている。
例年の東京ゲームショウは、前半2日間を「ビジネスデイ」(商談会)、後半2日間を「一般公開日」として新作ゲームのプロモーションや物販を行ってきた。会場に人を集められない今年は、ステージやブース代わりの動画配信が中心。また商談の場として、登録(有料)すると会期中いつでもオンライン商談が可能になる「ビジネスマッチングシステム」を用意した。
公式番組のタイムテーブルにはeスポーツ大会や恒例「日本ゲーム大賞」発表会といった例年通りのタイトルが並ぶ。配信にはYouTube、Twitter、Twitch、ニコニコ動画などを活用。視聴に事前登録やログインは必要なく、番組によっては英語や中国語、韓国語の字幕もある。配信後は基本的にアーカイブを残すという(一部期間が短いものあり)。
「メイン会場」となる公式サイトの他、Amazon.co.jpのサイト上に設けた特設ページ(以下、特設会場)からも各動画にリンクする。特設会場では、EC機能を活用してゲーム関連グッズなどの物販も行う。
基調講演は25日の午後7時から。バンダイナムコスタジオの内山大輔社長ら国内のデベロッパーとパブリッシャーの代表者4人が登壇し、「PS5」や「Xbox Series X/S」といった次世代機への期待やコロナ禍によって変化したゲーム制作現場について語る。
コナミは26日に「週刊少年マガジン」で連載中の人気漫画「EDENS ZERO」(エデンズゼロ)のゲーム化に関する発表会を予定している。一方、スクウェア・エニックスは、10月にテレビアニメが始まる「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」を題材としたアーケード対戦カードゲームやスマートフォン向けRPGの情報を公開する。
参加企業が独自の動画チャンネルを設け、動画を多数配信するケースもある。例えばセガグループは里見治紀社長が出演する「SEGA Fan Meet-Up 2020 〜すべてのセガファンに感謝をこめて〜」(25日、午後8時から)を皮切りに、「セガアトラスTV」で27日まで20以上の番組を配信するとしている。
今回のオンライン開催を象徴するのが、オフィシャルサポーターに人気YouTuber「はじめしゃちょー」さんを起用したこと。就任報告の動画ではじめしゃちょーさんは、「会場に足を運ばなくても参加できる。逆に素晴らしいんじゃないか説ありますね」とそのメリットを語った。
昨年の「東京ゲームショウ2019」は、40の国と地域から655の企業や団体が出展し、総入場者数は26万人を超えた。オンライン開催の今年は、世界中の人たちが自宅のPCやテレビで気軽に参加できるとあって、参加者の数が注目を集めそうだ。
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