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Apple独自アーキテクチャの変遷 A6から最新A14まで:Apple Siliconがやってくる(4/4 ページ)
Apple Silicon連載、ついに最新プロセッサ「A14」に追いつく。
ところで「それぞれの性能はどうか」という話を最後に。「何を使って評価するか」というのは非常に難しいのだが、一つの目安はGeekBench 5のスコアである。GeekBench 5のSingle Core性能の結果をまとめたのがグラフ1である。
ただ、元の結果を見ていただくと分かるが、同じCPUを使う複数の製品が入っていたりするし、またそもそも動作周波数が違っているので、絶対性能の差は分かるものの、CPUコアの性能差は良くわからない。そこで、同じCPU同士はまとめて平均を取るとともに、1GHz当たりのGeekBench Scoreを表示するようにしたのがグラフ2である。
なぜかA9Xではやや性能が下がっているが、基本的には破線の近似値が示すように、世代ごとに8.5%ほどのIPC改善が行われているのが分かる。X/Zシリーズを抜くとグラフ3のように、世代毎に16.3%近い性能改善になる。
構造的な大きな飛躍は、6命令解釈・9命令発行のA8(Typhoon)と、6命令解釈・9命令発行のA11(Monsoon)で、後は細かな改良の積み重ねということになるが、そうした細かい積み重ねで平均世代あたり16%以上のIPC改善を成し遂げているあたり、AppleのCPU開発能力はIntelやAMD、IBMといったメーカーと同等レベルにあると考えてよいだろう。
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