Bluetooth接続切り替えの歴史が変わった Appleの「自動切り替え」はどこが画期的なのか(2/2 ページ)
iOS 14の目玉機能の一つである「Bluetooth接続先の自動切り替え」は、歴史的に見ても画期的なのだ。
Microsoftとソニーが進める「2機種同時接続」アプローチ
別の方法を採用するメーカーもあった。
驚いたことに、それをやってきたのは、オーディオメーカーでないMicrosoftだった。
Microsoftは「Surface Headphones」で市場参入する際、この切り替え問題について、「アプリ側でつなぐ機種を可視化してコントロールする」という方法を導入した。
専用アプリ使用を前提とし、さらに複数機器の同時・複数プロファイルでの接続を実現した上で、「どの機器を接続して使うのか」をアプリ側から切り替えられるようにしたわけだ。
下の画像は2018年末に米国市場に投入された初代モデル用ソフトのものだが、現行の「Surface Headphones 2」「Surface EarBuds」でも、アプリ名を変えて同じ機能が導入されている。
使う機器それぞれにアプリさえ入れておけば可視化できて、悪くない方法だと思う。特にMicrosoftの場合、アプリはiOSやAndroidはもちろん、Windows用もある。最も「多機種ユーザーにやさしいヘッドフォン」といえる。
ソニーは最新の「WH-1000XM4」で、似たアプローチによるマルチペアリングを導入した。2機種で同時に複数プロトコルでの接続を実現しているのだが、そのコントロールはSurface Headphonesと同じく、アプリ側で可視化し、切り替えられる。いまどのデバイスで何が再生されているかまで表示する念の入れようだ。ずいぶん分かりやすさを工夫してきたと感じる。
そこに、Appleが「完全自動切り替え」で殴り込んできたのだから大変だ。そういう連動にはOSを含めた配慮が必要で、自社デバイスだけでの動作を前提とできない他社には難しいところといえる。
まあとにかく、このくらいいろいろと「複雑さ・不便さへのアプローチ」はあったのだ。そのことをみなさんにも理解していただきたいし、そうした目線も機器を選ぶ一助としていただきたい。
そしてメーカー側にも、「自社製品がどのような接続切り替え方式を採用しているのか」をもう少し明示してほしいと思う。
おそらく他にも、もっと工夫しているメーカーがあるはずだが、筆者も全製品を見ているわけではない。全てを網羅しているわけではない点にはご留意いただきたい。
こうした部分の使いやすさの重要性が「大きなアピール点になる」ことから、メーカー側には理解してほしい、と思っている。
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