「原神」、ゲーム終了後は不正防止プログラムが停止する仕様に 開発元はスパイウェア疑惑を否定
中国miHoYoが、新作ゲーム「原神」PC版のアンチチートプログラムを、ゲームの終了後やアンインストール後に停止する仕様に変更した。当初は停止後も動き続ける仕様で、Twitterなどで「スパイウェアではないのか」と疑う声が出ていた。同社はこの疑惑を否定している。
スマートフォンゲーム「崩壊3rd」などを提供する中国miHoYoは9月29日、同日リリースした新作ゲーム「原神」のPC版で、アンチチートプログラム(外部ツールなどによるゲーム上の不正を検出するプログラム)がゲームの終了後やアンインストール後もPC上で動作し続ける仕様を修正したと発表した。
原神は、miHoYoが開発するPC/プレイステーション4/iOS/Android向けのアクションRPG。28日のリリース後、オンラインコミュニティー「Reddit」やTwitterのユーザーから、PC版でアンチチートプログラム「mhyprot2」が動き続け、アンインストール後も削除できないことが指摘された。「スパイウェアではないのか」と疑う声もあり、同日午後には「スパイウェア」がTwitterでトレンド入りした。
miHoYoによると、アンチチートプログラムは他の起動しているプログラムの状態などを読み取り、不正な外部ツールを検出していたという。読み取った情報はチート(ゲーム上の不正)に関するものを除き、保存やアップロードなどを一切行っていないとしている。
アンチチートプログラムをゲーム終了後も動作する仕様にした理由については、不正な外部ツールの利用者が、ゲームを起動していない間に不正なプログラムを導入することを防ぐ目的だったと説明している。
現在はゲームを終了するかアンインストールすれば、アンチチートプログラムを停止できる。仕様の変更前にゲームをアンインストールしたユーザーは、PCを再起動すればアンチチートプログラムを削除できるという。
miHoYoは、アンチチートプログラムが個人情報の安全に関する誤解を招いたとしてユーザーに謝罪。「原神運営チームおよびmiHoYoは、あらゆるプレイヤーの個人情報や利益を不当に損なう行為をいたしません」としている。
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