「AWS Lambda」に運用・監視を強化する新機能 モニタリング用エージェントなどを組み込めるように
米AWSが、「AWS Lambda」の新機能「AWS Lambda Extensions」を発表。関数とは別のプロセスとしてモニタリング用エージェントなどの配置などが可能になる。従来は監視用のプロセスを常駐させておき、関数が正常に実行されたかどうかを監視することができなかった。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「「AWS Lambda Extensions」発表。AWS Lambdaにモニタリング用エージェントなどが組み込めるように」(2020年10月14日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Amazon Web Services(AWS)はこのほど、サーバレスコンピューティング基盤を提供する「AWS Lambda」の新機能「AWS Lambda Extensions」を発表しました。
AWS Lambdaは、あらかじめユーザーが記述した関数を登録しておくと、ファイルの保存やHTTPの通信などのイベントに対応した関数を実行してくれるというもの。
ただし関数が実行されるときだけプロセスが起動されるので、監視用のプロセスを常駐させておいて関数が正常に実行されたかどうかを監視する、といったことがAWS Lambdaでは容易に実装できませんでした。
AWS Lambda Extentionsを利用することで、関数の起動前や起動中、起動後の診断情報の取得や、実行された関数のコードの計測、関数が実行される直前の設定、関数とは別のプロセスとしてモニタリング用エージェントなどの配置などが可能になります。
AWS Lambda Extentionsは関数の実行環境とは別の拡張用APIを提供することでこれを実現しています。
あわせてAppDynamicsやDatadog、Dynatrace、HashiCorp Vault、New Relic、Spunk、AWS AppConfig、Amazon CloudWatch Lambda Insightsなど、AWS Lambda Extentionsに対応するさまざまなエージェントも発表されています。
通常のアプリケーションとは異なる運用監視のノウハウが求められるとされてきたAWS Lambdaによるシステム構築も、従来のツールによる統合的な運用監視が可能になっていくのではないでしょうか。
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