安い3Dプリンタで多色印刷したいなら、多色フィラメントを作ればいいじゃない 明治大学など「Programmable Filament」開発:Innovative Tech(2/2 ページ)
数十万円もするカラー3Dプリンタを買わずにカラー造形物を作ることが可能だという。
複数の色や素材が混在するフィラメントは、どのように作成するのか。例えば、赤、緑、青の混ざり合ったフィラメントを作成する場合、まず指定した場所に赤を印刷し3Dプリンタを一時停止させる。この間に手作業で赤から緑の材料に取り換え、最初に戻して緑を印刷、同じように青色も印刷、最後に色の接合部を接着剤代わりに上から部分的に印刷する。このように必要な場所に必要な色や素材を順に印刷することで、プログラムされた複雑な螺旋状のフィラメントが完成する。
色と素材が混ざり合った1本のフィラメントの作成工程。赤色を印刷(a)、ノズルを最初に戻してフィラメントを交換(b)、緑色を印刷(c)、同じように青色も印刷(d)最後にこれら色が離れないように接続箇所にも部分的に印刷する(e)
フィラメントの印刷には、材料の種類と接続順序、各材料の長さをまとめたリストが必要であり、このパラメーターリストを基に、印刷するフィラメント用のGコード(制御命令)を作成する。
パラメーターリストの作成には、3つのアプローチがある。3Dプリンタ用のスライスアプリケーションを用いて、あらかじめ生成されたGコードから作成する方法、CADツールで複数の領域に変更した3Dモデルをスライスして作成する方法、3Dモデルに加え2D画像を用いて作成する方法だ。それぞれの方法で作られたデータは、通常の3Dプリンタでも利用可能なGコードであるが、ここから材料の押し出し命令やノズルの切り替え命令を抽出し、フィラメント化するための量やつなぐ順番を計算している。
作成されたパラメーターリストをフィラメント設計ソフトウェアに入力し、印刷するためのGコードを作成する。これにより、造形したい物体に合わせてプログラムされたフィラメントが完成する。
動画では、実際にソフトウェアで設計する様子や印刷している様子を確認できる。
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