改めて比較する、ぬるいiPhone 12とドキドキしないPixel 5(2/3 ページ)
西田宗千佳さんが、iPhoneとPixelという2大スマートフォン登場の背景にあるものを解き明かします。
GPUについてはアーキテクチャが違うので、Geekbench 5での比較は難しい。そこで、グラフィックス面のマルチプラットフォーム・ベンチマークソフトである「3D Mark Wild Life」を使って試してみた。だが、こちらもちょっと比較にならないくらいのデータになっている。
この差はなぜなのか? 要は、Pixel 5の採用したSnapdragon 765Gが、そこまで高い性能を持っていないからだ。
3D Mark Wild Lifeの値で比較した場合、Pixel 5は1100前後であったのに対し、前モデルの「Pixel 4」は3020前後と、かなり性能が違う。前モデルであるPixel 4はSnapdragon 855を採用しており、実はプロセッサの性能的にはPixel 5より上なのだ。
ちなみに、iPhone 11 Pro Maxでの値は「6829」、iPhone 12の値が「8727」なので、こちらは1年で大幅に進化していることになる。
そもそもiPhoneが使うプロセッサである「Aシリーズ」は同時期の他社スマートフォン向けプロセッサに比べ性能が高い傾向にあるのだが、2018年の「A12」あたりから、特にGPU性能の評価が高い。それが反映されているのだろう。
ちなみに、3D Mark Wild Lifeの最高値は「13万」で、文字通り桁が違う。米NVIDIAの最新GPU+米Intelの最新CPUの組み合わせでの値だが、あちらは価格も消費電力も桁違いなので、比べるのが難しい。……とはいえ、Apple Silicon MacでAppleが本当に「自社GPUで戦う」なら、この値に少しでも近い能力を、自社製GPUで出す必要が出てくるのだが、それはまた別の話である。
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