NTTは11月17日、NTTドコモの完全子会社化に向けた株式の公開買い付け(TOB)を16日に終了したと発表した。同日までにドコモの株式8億1502万株を約3兆円で取得した。
今回のTOBでNTTが保有するドコモ株式は全体の91.46%になった。残りの8.44%は株式売渡請求により取得し、12月には完全子会社化できるとしている。
NTTはドコモを完全子会社とした後に、NTTコミュニケーションズやNTTコムウェアなどのグループ企業との経営統合も検討しており、移動通信事業や固定通信事業などグループが持つ事業の連携を強め、競争力を強化する。
今回のTOBを巡っては、KDDIやソフトバンクなど28社が11月に総務大臣に対して意見書を提出。ドコモの子会社化は、公正な競争環境を作るために必要とされた「NTTドコモの完全民営化」や「NTTドコモに対するNTT持株の出資比率の低下」といった措置の趣旨に反すると指摘した。
NTTは「われわれとしては子会社化に法的な問題があるとは考えていない。今後議論が進むなら真摯(しんし)に対応する」としている。
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TOBが成立すれば、ドコモは上場廃止となる。
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