5G×エッジでクラウドを低遅延に AWSジャパンとKDDI、「AWS Wavelength」を日本向けにリリース
AWSジャパンとKDDIが、「AWS Wavelength」を日本向けにリリース。5Gネットワーク内にAWSのインフラを設置した上で、顧客にリソースを提供する。4Gと比べて遅延を約半分以下に抑えられるという。
アマゾンウェブサービスジャパンとKDDIは12月16日、5Gネットワーク内にAmazon Web Services(AWS)のインフラを設置した上で、顧客にリソースを提供するサービス「AWS Wavelength」をリリースした。従来のAWSサービスを4Gで利用した場合と比べ、遅延を約半分以下に抑えられるため、クラウド側での高速な計算処理と超低遅延の相互通信が求められるサービスの基盤に適しているという。
当初は東京都内の「au 5G」エリア限定で提供し、追って対応エリアを拡大する予定。
AWS Wavelengthは、KDDIの5Gコア設備にAWS用のサーバやストレージを配置し、エッジロケーション(配信拠点)として活用。利用者に近い場所でデータを処理することで、通常のインターネットを介したクラウド接続に比べて応答時間や転送時間を短縮できる。
対応するサービスは、Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)、Amazon ECS(Elastic Container Service)など。「IoTデバイスが収集したデータの処理や、AR・VRによる映像配信、スマートファクトリー、コネクテッドカーなどの基盤にも適している」と、アマゾンウェブサービスジャパンの岡嵜禎氏(執行役員 技術統括本部長)は説明する。
一部企業では正式リリースに先行し、AWS Wavelengthのテストを実施。ゲームベンチャーのTVT(東京都渋谷区)、AIベンチャーのブレインズテクノロジー(東京都港区)などが4G回線の利用時と比較した結果、TVTではRTT(往復の遅延時間)が約40〜50%、ブレインズテクノロジーでは遅延時間が約43%に抑えられるなど成果を得たという。
米AWSはKDDIの他、米Verizon Communications、英Vodafone、韓国SK Telecomなど、各国の通信大手と提携しており、グローバルでAWS Wavelengthを展開する方針を掲げている。「20〜21年にかけて、世界中にWavelengthの新ロケーションを追加する」と岡嵜氏は話している。
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