ニュース
NEC、宇宙船「オリオン」開発元に異常検知AIを提供 問題発生時の早期対処を支援
NECが、AI技術「インバリアント分析技術」を、NASAの月探査計画「Artemis」で使われる予定の有人宇宙船「Orion」の開発元に提供する。AIが機体の異常を自動検知し、作業員が早期に対処できるよう支援する。
NECは3月2日、同社のAI技術「インバリアント分析技術」を、有人宇宙船「Orion」(オリオン)の開発元に提供すると発表した。機体に取り付けたセンサーで得た情報をAIが分析し、異常な動作があれば障害として検知することで、作業員が早期に対処できるよう支援する。
オリオンは米航空宇宙局(NASA)の月探査計画「Artemis」(アルテミス)用に米Lockheed Martinが開発。AIにはオリオンの開発や試験を行う際にセンサーで取得した15万件の機体のデータを基に、正常な動作を学習させた。今後は試験の際に機体の状態を監視し、異常な動作が起きた場合の原因分析に役立てる。
インバリアント分析は、センサーとAIを活用して工場やビルなどに設置した機材を監視し、機材が通常の動作とは異なる挙動を示した場合に、障害として検知する技術。NECによればこの技術を使うことで、作業員が少なくても機体や制御システムを詳しく分析できるという。
Lockheed MartinとNECは今後、人工衛星を運用する地上管制などでも同技術を活用し、宇宙探索の迅速化と効率化を図るとしている。
関連記事
- AIで5Gネットワークの障害を自動復旧 KDDIと日立など4社が実験
KDDIと日立製作所、NEC、OKIは、AIを活用して5Gネットワークで起きた障害を自動で解消するシステムの実証実験を行っていると発表した。AIで障害を検知し、ネットワークを自動で最適化して障害を解消する。 - NEC、自動運転「レベル4」の公道実験 5G対応のバス運行
NECが、5G通信に対応した自動運転バスを公道で運行する実証実験を行う。車載カメラやセンサーが取得したデータを高速で処理・転送。自動運転の「レベル4」を実証する。 - AIは“イケてる”ファッションを作れるか 「ダサいたま」の汚名返上? さいたま市とNECの挑戦
AIが“カッコいい”と判定したファッションを展示する「さいたまコレクション」が行われた。AIが本当に“イケてるファッション”を判定できるのか? プロジェクトメンバーに聞いた。 - 「量子コンピュータとAI人材は親和性が高い」 NEC幹部が見る量子コンピュータの人材育成
NECの幹部が「第1回 量子コンピューティングEXPO【秋】」で量子コンピュータの導入事例や人材育成について講演。人材育成では「AI人材と親和性が高い」と話した。 - シャープ、NEC子会社買収を完了 社名は「シャープNECディスプレイソリューションズ」に
シャープが、NEC傘下のNECディスプレイソリューションズを子会社化し、社名を「シャープNECディスプレイソリューションズ」に変更したと発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.