“4Kの16倍”「16K」の360度VR映像を配信できるシステム、ドコモが開発 スポーツや音楽イベントに活用
NTTドコモが、5G通信を活用し、4Kの16倍の解像度「16K」の360度VR映像を配信できるシステムを開発したと発表。スポーツや音楽イベントのライブを従来より高画質で配信できるという。
NTTドコモは3月5日、5G通信を活用し、4Kの16倍の解像度「16K」の360度VR映像を配信できるシステムを開発したと発表した。スポーツや音楽イベントのライブを従来より高画質で配信できるという。2021年度中の商用提供を目指す。
周囲がスクリーンに囲まれた会場でのライブビューイングといった用途を想定。まず複数台の4Kカメラで映像を撮影し、データを米Amazon Web Servicesのクラウド基盤「AWS」か、ドコモのクラウド基盤「ドコモオープンイノベーションクラウド」で構築したクラウドサーバに送る。
次にクラウドサーバ上で複数の4K映像をつなぎ合わせ、1つの360度映像を生成。完成した映像を5Gを使って会場まで配信する。映像を再度分割し、複数の機器で再生することも可能という。
8KのVR映像とマルチアングル映像を重ね、同時に伝送する「スーパーインポーズ」映像の配信にも対応する。こちらはスマートフォンやVR機器での視聴を想定。VRカメラで撮影した8KのVR映像と、複数のカメラで撮影したマルチアングル映像をクラウドサーバ上で合成し、16Kの映像と同じ手順で配信する。
ドコモによれば、通常8KのVR映像とマルチアングル映像は、再生にそれぞれ別のアプリケーションが必要になるという。今回のシステムでは、2つのデータを合成したストリーミング映像として配信するため、視聴者がアプリを切り替えずに再生できるとしている。
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