もう出社しないので東京から埼玉に引っ越してみた “テレワーク移住”はアリかナシか 部屋探し編(2/2 ページ)
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、ITmedia NEWS編集部が原則在宅勤務の態勢に移行して1年。社内制度の改定でオフィスへの出社が義務ではなくなったため、記者は東京都から埼玉県に“テレワーク移住”した。
ネット回線は特に問題なし
インターネット回線は特に問題ない。記者の場合、社内会議や記者発表会、インタビューなどでWeb会議ツールを使うため、動画の転送量がかさむ。4G回線はもちろん、固定回線も新たに契約したため、モバイルWi-Fiルーターだけで過ごしていた今までよりも快適だ。
気になることがあるとすれば、楽天モバイル回線だ。楽天モバイルは自社回線エリアであればデータ通信量が使い放題のため、自由に使えるデータ通信用端末として使っていた。新居の周辺は地図上では楽天モバイルの自社通信エリア内ということになっている。しかし、実際に通信をしてみると、ギリギリのライン上にあるためか、同じ場所にいても時間帯によって楽天モバイル回線になったり、KDDIのローミングエリアになったりする。
これは今後、基地局設置が進むにつれて自然に解消されるだろう。そうすれば、インターネット接続面の選択肢も増えるだろう。
地方は車が必須?
移住すると周囲に話すと「都心を離れるなら車はあったほうがいい」とよく言われる。これは本当だ。春日部市は田舎というほどではないが、周りを見ても車は多く、道を歩いている人はほとんどいない。家から徒歩10分圏内には、車やバイクの店、ガソリンスタンドが10件ほどある。
記者は運転免許を持っていないため、これが移住の一番のネックだった。しかし、これも部屋決めで解決できた。今のところ自転車すら必要ない生活を送っている。
確かに、遠くに行くなら車が必要だが、生活の全てを近場で済ませば何も問題ない。今回選んだ部屋は、コンビニまで徒歩2分、徒歩10分圏内にはスーパー、ドラッグストア、大型家電量販店などがあり、生活に必要なものはほぼ全てそろう。それ以外は通販で買えばいい。頻繁に行けるわけではないが、他にも飲食店が5件ほど、本屋、温泉などよりどりみどりだ。病院や郵便局が少し遠いが、それでも徒歩圏内だ。
近所を少し散策してみると、確かに30分以上歩かないとコンビニすらない場所もある。ちょっとした立地の差で車が必要かどうかが変わる。記者はちょうどいい場所を選べた。
仕事の都合を気にせず部屋選び
テレワーク移住における部屋探しは、仕事の都合を考えなくてもいいところがメリットの一つだ。2年前、仕事のために上京したときは「会社と最寄り駅にできるだけ近い部屋にしたい」「それでいて家賃は安く」など、いろいろ考えながら部屋を探していた。
今回、移住先に春日部市を選んだのは、祖父母の家が近いからというのが理由だ。親族が近くにいると互いに安心できる。
出社しないので会社との距離は後回しでいい。例えば「自然がいっぱいのところがいい」「社会保障が充実している」「災害に強い」「家賃が安い」など仕事の都合を切り離して好きな場所を選べる。中にはテレワーク移住による人口増を狙ったキャンペーンを展開している自治体もある。
さすがに仕事の都合を全く気にしないというわけにもいかないが、今までそれで我慢してきたことをいくらか優先できるのは、生活の質向上に大きく貢献するだろう。
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