出社しないつもりで“テレワーク移住”した記者、突然の現地取材と出社を経験(2/2 ページ)
記者は会社が原則在宅勤務になったため東京都から埼玉県に引っ越した。一切出社せず、悠々自適の在宅勤務生活を送っていた記者だが、ある日、突然会社に行くことになってしまった。今回は出社を前提としない引っ越しをした直後に記者を襲った出社をレポートする。
準備をしている場合ではない
2020年4月の緊急事態宣言のときには、外出自粛要請の影響で外に出る機会が全く無かったため、始業の10分前に起き、身だしなみは一切整えずに仕事を始めていたが、それでは急な用事ができたときに身支度から始めることになる。風呂に入って着替えてひげをそって食べて……なんてやっている場合ではない。
いつでも出社できる体制を整えておくのが重要だ。記者の場合は常にジャケットを羽織り、カメラや名刺などの取材セットは枕元にセットしてある。今回も、連絡を受けている間に家を出られた。
移動時間はコストでしかない
次は現地までの移動だ。徒歩と電車で1時間半ほどかけて現場に行ったのだが、この間はコンプライアンスの問題でほぼ何もできない。本当は記事の執筆や準備ができればよかったのだが、PC内には非公開の情報も入っているため、車内ではうかつに開けない。
在宅勤務中は、他社との会議もオンラインですぐ開けるが、現地に行くならそうはいかない。コロナ前は当たり前だったが、在宅勤務を経験し、移動は無駄という意識がかなり鮮明になった。
到着後も問題が重なる
緊急会見の詳細は、私が電車に乗ったタイミングで決まった。時間通り付けば会見開始の2分前に到着できるギリギリの距離だった。現場到着後はどうにか問題なく記事執筆に取り掛かれた。
慌てて家を出たからか、会見中はPCの電源が足りなくなる、急いでいるのに普段使わない交通系電子マネーがチャージ切れを起こす、取材セットに傘を入れ忘れて雨にぬれるなど、問題が幾つも重なり、まさに踏んだり蹴ったりだった。会場まで30分で行ける距離に家があれば、空いた30分でPCを充電したり、持ち物を確認したりできたかもしれない。
会見終了後、数カ月ぶりにオフィスに戻り、体勢を立て直したおかげで何とか記事は完成した。
出社は軽い災害 日頃の備えが大事
今回の教訓は「備えは大事」で間違いない。いつでも出社できる準備ができていなかったら、会見には間に合っていなかっただろう。準備ができていれば、PCを思いっきり使えただろう。
記者は「出社は災害のようなもの」と思うようにした。あらかじめ、突然の呼び出しを想定した“出社訓練”をたまにやって、必要なものや気を付けるべきことを洗い出すこと。防災バッグのようにそのまま持ち出すだけで出社できるかばんを用意しておくこと。充電器や連絡手段は常に確保しておくこと。代替手段を考えておくこと。それが重要だ。
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