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LINEの個人情報問題、本当の“問題”はどこにあったのか(5/5 ページ)

LINEの記者会見に出席したITジャーナリスト西田宗千佳さんが、問題の本質を論じる。

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 ことの本質は、前述の内容を見れば分かるように「説明責任」にある。ちゃんと管理できているならいい、ということではなく「どこでどう管理されているか」を利用者が理解した上でサービスを選べる「透明性」と、提示した条件と相違なく運用をする「確実性」の両方が必要なのだ。

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LINEは今回の措置での透明性強化も打ち出した

 LINEは、3月17日に公開した文書で「本国外での個人情報の扱いについてご説明いたします」という表現を使っている。方針についての適切な説明がなされていないことが最大の課題であると認識していたからだろう。

 その上で、日本の利用者が望む「データの国内運用」を提示した、というのが今回の在り方だろう。

 他のサービスについても、LINEと同じ課題は存在する。

 中国などへのオフショアを使っていたとして、その管理は万全だろうか? 適切な業務だけを委託しているだろうか? データの保存地域や運用体制について、正しく告知できているだろうか? そして、告知通りに、本当に運用できているだろうか。全ての事業者が、LINEの件を見て襟を正す必要がある。

 また、そもそも利用する側も、ちゃんと運用形態を見て「このサービスは向いているものなのか」を判断しているだろうか。LINEのようなサービスでも、一般的な会話で問題が起きるとは思いづらい。だが、国家レベルで秘匿性が必要とされる会話や、内容の厳密な保守が必要とされる会話に向くのか……といえばそうではないだろう。「何でもLINE」という利用側の考え方も、同時に見直しが必要だ。

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