松井証券のシステム開発委託先SE、顧客口座から2億円着服か パスワードなど不正使用して出金
松井証券のシステム開発・保守、運用を担当していたSCSKの元社員が、松井証券のユーザー15人のIDやパスワードなどを不正に取得し、顧客になりすまして、口座に預けられていた現金など総額2億円を着服か。
大手SIerのSCSKは3月24日、松井証券のシステム開発を担当していた同社の元社員が、松井証券顧客15人のIDやパスワードなどを不正に取得し、顧客になりすまして、口座に預けられていた現金など総額2億円を不正出金していたと発表した。
元社員は、電子計算機使用詐欺・不正アクセス禁止法違反などの容疑で同日、警視庁に逮捕された。
SCSKは松井証券のシステム開発・保守、運用を担当。元社員は、松井証券のシステムを専任で担当していたという。
SCSKによると元社員は、松井証券顧客のID、パスワード、取引暗証番号などを不正に取得した上で、顧客になりすまして有価証券を売却し、売却代金を含めた証券口座に預けられていた現金を、不正出金していたという。被害にあった顧客は15人、被害総額は2億円と確認したという。
2020年1月、顧客から松井証券に「身に覚えのない取引があった」と報告があったため、松井証券とSCSKが調査を進めて発覚。警察に相談し、捜査に協力してきたという。証拠隠滅を避けるため、警察の捜査を元社員に察知されないよう配慮しながらシステム上の手当てを行い、その後の被害は確認していないという。
SCSKは2020年9月に警視庁に告発状を提出。21年3月24日、元社員は電子計算機使用詐欺などの疑いで逮捕された。
SCSKは元社員を、同日付で懲戒解雇処分にしたという。元社員は松井証券以外のSCSK顧客のシステム開発には関わっていないと説明している。
SCSKは、住友商事グループのシステムインテグレーターで、東証一部上場。
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