LINE、自治体に当初「個人情報は日本で管理」と説明 出澤社長が謝罪「説明が不十分だった」
メッセージアプリ「LINE」のユーザー情報のデータ管理を巡る問題で、LINE社が自治体向けに当初、「個人情報は日本で管理している」などと説明し、出澤剛社長が「説明が不十分だった」と謝罪していたことが分かった。
メッセージアプリ「LINE」のユーザー情報のデータ管理を巡る問題で、LINE社が自治体向けに当初、「個人情報は日本で管理している」などと説明し、出澤剛社長が「説明が不十分だった」と謝罪していたことが分かった。
LINEは自治体向けに情報発信用の公式アカウントや、新型コロナウイルスワクチンの予約システムを提供している。出澤社長は3月24日にオンラインで開催された自治体向け説明会に出席し、会合の冒頭で「(一連の問題で)自治体やユーザーに多大なる心配をおかけすることになり、心からおわび申し上げる」と改めて陳謝。その上で、過去に公表していた資料で、データセンターに関する説明に誤解を招く表現があったとして重ねて謝罪した。
LINEの担当者は、データ管理について企業や自治体に説明冊子の「LINEの個人情報を取り扱う主要なサーバは日本のデータセンターで管理」と記載していた部分を引用して回答していた。しかし、その際にその文言をさらに切り取る形で日本でのみデータを管理しているかのような説明をしたという。
実際はテキストデータは日本、画像や動画は韓国のデータセンターで保管していた。報道内容などを受け、一部の自治体からの指摘で発覚したという。LINEによると担当者が過去に使用していた資料内に説明が十分でなかった点があったといい、出澤社長は「分かりにくく、誤解を招く表現だった。反省している」とした。
説明会に参加したある自治体関係者はサーバの件を「報道を通じて知った」といい、「聞いていた話と違う。虚偽説明といわれても仕方ないのではないか」と不満を示した。
説明会ではLINEが公式アカウントや新型コロナワクチン接種予約システムの運用方針についても説明。同社は画像や動画、公式アカウントのタイムラインについて、自治体側のアカウント設定でこれらの受信を拒否できるなどと説明した。コロナワクチンの接種システムについてはテキストメッセージのみを受信する仕組みになっており、データは国内で保管しているなどとしている。
自治体のLINE活用を巡っては、総務省が各自治体に利用状況の報告を求めている。
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