スマホとマイナンバーカードで本人確認 凸版印刷が事業者向けに提供
凸版印刷はスマートフォンでマイナンバーカードを読み込んで本人確認できる専用アプリを開発し、事業者向けに5月1日から提供すると発表した。事業者が自社サービスに同社のアプリを組み込むことで本人確認の手続きを簡略化できる。
凸版印刷は4月16日、スマートフォンでマイナンバーカードを読み込んで本人確認できる専用アプリを開発し、事業者向けに5月1日から提供すると発表した。金融機関やシェアリングサービスなどの事業者が自社サービスに凸版印刷のアプリを組み込むことで本人確認手続きを簡略化できる。
同社が開発した「本人確認アプリ」は地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が提供する公的個人認証システムと連携し、本人確認する仕組み。スマートフォンのNFCを使い、マイナンバーカードをかざして本人確認できる。
事業者はPCやスマホで開いたWebサイトから本人確認アプリを呼び出せるように設計できる。さらに専用SDK(iOS/Android)で自社のアプリに同機能を組み込めば、ユーザーは本人確認時にアプリの切り替えが不要になる。
その他、各企業のコーポレートカラーをUIデザインに反映するなどのカスタマイズができ、企業が提供するアプリデザインとの親和性も図れるという。
これまで行政手続きや銀行口座の開設には書面での対面手続きが必要なケースが多かった。非対面での本人確認「eKYC」や自撮り画像、本人確認書類の画像送付で代替するケースもあったが、手続きの煩雑さに加え、情報の照合作業などが必要なことからユーザーと事業者双方にとって負担となっていた。不正利用やなりすましなどの問題も顕在化しており、こうした背景から凸版印刷は製品化に至った。
同社は今後、同アプリを金融取引や公共サービス、CtoCビジネスを展開する業界に展開する方針で、2025年までに関連受注を含め10億円の売上を目指す。
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